2003 Fiscal Year Annual Research Report
リラクサー強誘電体混晶の電場誘起相転移のその場観察と巨大誘電応答機構の解明
Project/Area Number |
15540307
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩田 真 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (40262886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 善弘 愛知淑徳大学, コミュニケーション学部, 教授 (00023052)
前田 雅輝 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (10091745)
鈴木 いく雄 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (10023152)
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Keywords | ドメイン / 強誘電体 / ペロプスカイト / 相転移 / AFM / リラクサー / 濃度相境界 / PZN |
Research Abstract |
本年度は、リラクサー強誘電体混晶の静的なドメインウォール構造の観察を行った。リラクサー強誘電体混晶Pb(Zn_<1/3>Nb_<2/3>)O_3-PbTiO_3のうち、正方晶相を示すPZN-20%PTと、室温で菱面体晶相を示し濃度相境界に近いPZN-8%PTのエッチング処理表面のAFMおよびEFM観察を行った。PZN-20%PTでは、90°および180°ドメインウォール構造を観察した。EMFによる焦電効果の測定により、各ドメインにおける自発分極の方位を決定できた。PZN-8%PTでは、(001),(110),(111)に垂直な表面の観察から、180°,109°,71°のドメインウォール構造が観察できた。(110)面の観察では、新たにジグザグタイプのパターンを示すドメインウォール構造が見いだされた。これらのドメインウォール構造の解析では、弾性的な条件であるSaprielの理論と、ドメインウォール表面で分極電荷が存在しないという電気的な条件の両方を満たしていることが確認できた。PZN-8%PTにおいてチャージドウォールは存在しない。PZN-8%PTの濃度相境界における正方晶相と菱面体晶相の相転移は、散漫な相転移であることが指摘されているが、本研究によって、局所的にはシャープな相転移をし、転移温度が場所に依存して分布していることがわかった。また、室温でのドメイン-ウォール構造は、通常の強誘電体と同様に古典論によって理解できることを実験的に示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Iwata et al.: "Domain-Wall Observation in Pb(Zn_<1/3>Nb_<2/3>)O_3-PbTiO_3 Solid Solutions by AFM"Transactions of the Materials Research Society of Japan. 28・(1). 145-147 (2003)
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[Publications] M.Iwata et al.: "Observation of Domain-Wall Structure in Pb(Zn_<1/3>Nb_<2/3>)O_3-2O%PbTiO_3 by Scanning Probe"Journal of Korean Physical Society. 42. S1051-S1054 (2003)
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[Publications] Y.Ishibashi, M.Iwata: "Phenomenology of Elastic Properties in Martensite Alloys"Journal of the Physical Sosiety of Japan. 72・(7). 1675-1681 (2003)
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[Publications] N.Yasuda, M.Sakaguchi, H.Ohwa, Y.Yamashita, M.Iwata et al.: "Effect of Electric field on Domain Structure and Dielectric Properties in Pb(In_<1/2>Nb_<1/2>)O_3-PbTiO_3 near morphotropic phase boundary"Japanese Journal of Applied Physics. 42・(9B). 6205-6208 (2003)
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[Publications] M.Iwata et al.: "Domein-Wall Observation in Pb(Zn_<1/3>Nb_<2/3>)O_3-PbTiO_3 Mixed Crystals by Scanning Probe"Japanese Journal of Applied Physics. 42・(9B). 6201-6204 (2003)
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[Publications] M.Iwata, Y.Ishibashi: "Phenomenology of Elastic Properties in Martensite Alloys II : Temperature Dependence of the Elastic Constant and Hysteresis Loop"Journal of the Physical Sosiety of Japan. 72・(11). 2834-2849 (2003)