2004 Fiscal Year Annual Research Report
リラクサー強誘電体混晶の電場誘起相転移のその場観察と巨大誘電応答機構の解明
Project/Area Number |
15540307
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩田 真 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (40262886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 いく雄 名古屋工業大学, 工学研究科, 名誉教授 (10023152)
前田 雅輝 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (10091745)
石橋 善弘 愛知淑徳大学, ビジネス学部, 教授 (00023052)
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Keywords | ドメイン / 強誘電体 / ペロブスカイト / 相転移 / AFM / リラクサー / 濃度相境界 / PZN |
Research Abstract |
本年度は、AFMを用いたリラクサー強誘電体混晶のドメインウォール構造の観察、EFMを用いた誘電異方性の測定、ラマン散乱スペクトルの測定を行った。AFMによる観察では、リラクサー強誘電体PZNにおけるフィンガープリントパターンの電場依存性を観察し、このフィンガープリントパターンは、抗電場の1/20程度の非常に小さい電場によって細かいパターンに変化することがわかった。また、このようなドメイン挙動と誘電分散の関係を実験的に明らかにした。 EMFによる誘電異方性の測定により、PZN-PT混晶系の濃度相境界近傍で静的な誘電率の自発分極に垂直方向の成分が著しく増大することを実験的に見出した。一方、本研究では、PZN-PT混晶系のラマン散乱スペクトルの濃度温度依存性の測定も行った。PZN-PT混晶系では、PT濃度の減少とともに、転移点近傍でソフトモードの温度依存性が小さくなり、濃度相境界からPZNにかけてソフトモードはソフト化しないことを実験的に示した。 このことから、濃度相境界近傍での誘電率の増大は、格子振動よりも振動数の低い緩和型モードであり、そのモードでは自発分極に垂直方向の成分の寄与が大きいことが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)