2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540328
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 三郎 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60171485)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 禎通 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005973)
|
Keywords | 量子計算 / 量子ビット / ジョセフソン接合 / 超伝導体 / 強磁性体接合 / パイ接合 / アンドレーエフ反射 / 磁性半導体 / Anderson模型 |
Research Abstract |
(1)超伝導体/絶縁体/超伝導体接合(S/I/S)と超伝導体/強磁性体/超伝導体接合(S/F/S)の2つの接合を含んだ超伝導リングからなる新しい量子ビットを提案した。通常のジョセフソン接合であるS/I/Sは超伝導体間の位相差ゼロ(0)が安定となる(ゼロ接合)。一方、S/F/Sは位相差パイ(π)が安定となる(パイ接合)。各接合のジョセフソン結合エネルギー、静電エネルギー、およびリングに蓄えられる磁気エネルギーを考慮して、リングの自由エネルギーを計算した。その結果、0接合とπ接合との競合により、系の自由エネルギーが位相差に対して縮退した2つの最小値をもつことが分かった。これらの極小値の状態では、互いに逆回りの循環電流が超伝導リング中を流れており、状態間のトンネル効果により結合・反結合の量子状態が形成される。これを1量子ビットとして用いる。1量子ビットにおける量子状態の制御はマイクロ波共鳴照射によって行われる。本量子ビットは、これまでに提案された超伝導磁束量子ビットと異なり、結合・反結合状態を形成するために外部磁場を必要としない利点がある。このため、小さなサイズの量子ビットの作成が可能となり、集積化に有利となるばかりでなくデコヒーレンスの抑制も期待される。 (2)磁性半導体中の磁気不純物の周りに形成される磁性不純物準位(d)と価電子バンド(p)の電子状態をHaldane-Anderson模型を用いて調べた。磁性不純物準位と価電子バンド間の強いp-d混成によって、ギャップ内不純物状態と伝導帯上端に特異な正孔状態が形成され、これが磁性不純物間に長距離の強磁性相互作用をもたらすことが明らかになった。特に、強磁性相互作用大きさは磁性不純物の軌道縮退度および不純物状態の占有数に強く依存することが解った。
|