2004 Fiscal Year Annual Research Report
シンクロトロン近似を超えた放射公式に基づく放射と対生成の理論
Project/Area Number |
15540380
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Research Institution | Faculty of Education, Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
新田 英雄 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (50198529)
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Keywords | 強電磁場 / 放射 / 電子陽電子対生成 / 分極放射 / シンクロトロン近似 / チャネリング |
Research Abstract |
強電磁場中を運動する高エネルギー電子・陽電子からの放射は,結晶中のチャネリング現象から加速器におけるビーム放射,さらにはコンパクト星を中心とした高エネルギー宇宙現象まで,様々なスケールにおいて現れる.強場中においては電子の加速度が極めて大きくなるため,その軌道の詳細を考慮しないと正しい放射の計算はできない.本研究は,最近,本研究代表者らが標準軌道の概念を導入することにより導いた「シンクロトロン近似を超える放射公式」を発展的に研究するものである. 平成16年度においては,まず,non-dipoleパラメタが小さい場合についての放射過程を考察した.その結果,新公式に基づく計算では,Bethe-Heitlerのような直線軌道的計算とは異なり,赤外極限で有限値を与えることが見出された.これは,Landau-Pomeranchuk効果とも直接関係する重要な発見であると考えられ,今後のより詳細な理論的発展が期待される. また,新公式に交差対称性を用いることにより導かれた電子陽電子対生成の公式を調べ,一様場近似がnon-dipoleパラメタが大きい極限として正確に得られることを証明した.さらに,TeV領域における追生成確率は減少していくことを示した.これはBaier-Katkovらの一様場近似による計算結果と符合するが,本研究ではピーク値のみでなく角度依存性も示し,その半値幅も高エネルギーになるほど減少していくことを示した.これらの結果は,超強磁場が現れるコンパクト星付近での量子電磁気学的過程の評価に修正を加えるものと考えられる.
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Research Products
(2 results)