2005 Fiscal Year Annual Research Report
原子BECおよび希薄量子気体における準保存量の探究
Project/Area Number |
15540381
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
渡辺 信一 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (60210902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 一雅 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (80221828)
森下 亨 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (20313405)
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Keywords | BEC輸送問題 / 分子イオンの回転励起状態 / 量子論的運動量移行断面積 / BEC干渉効果 |
Research Abstract |
渡辺はモスクワKurchatov InstituteのTolstikhin博士とともに回転系におけるBECの干渉効果を研究して、いわゆるSagnac効果による縞のずれの他に、ガリレイ変換による干渉縞の傾斜の起こることを示した。さらに、現在は、在日中のA.Itin博士および前述Tolstikhin博士と共同で重力場中でBECを2分割する際に現れる渦度1の量子渦発生メカニズムを探求している。 大槻は分子イオンとヘリウム原子との衝突における運動量移行断面積を量子論的に、より定量的に計算することを目的としたプログラム開発に着手した。解析関数でフィットされた相互作用ポテンシャルの角度部分はルジャンドル関数で展開されているため、波動関数の角度部分を分子イオンの回転量子数、ヘリウム原子の軌道角運動量の積(球面調和関数を用いる)で表せば、シュレディンガー方程式の角度部分は解析的に積分でき、1次元化できる。また、イオンの並進エネルギーを4Kまで下げるため移動管内にゲートトラップが設けられているが、分子イオンの回転状態も同時に冷やされるのかを明らかにするための計算も行なっている。この計算では、回転励起状態にある分子イオンに波束に見立てたヘリウム原子を衝突させ、衝突後の回転状態の変化を調べる。 森下は時間発展コードを利用して、近年発展が著しいアト秒レーザーパルスによるポンプ・プローブ法による、原子内電子波束の実時間測定の可能性についての予備的考察を行った。また、強く相関を持った2、3、4子励起状態での電子状態について超球座標法による厳密計算を行い、分析を行った。
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Research Products
(6 results)