2006 Fiscal Year Annual Research Report
原子BECおよび希薄量子気体における準保存量の探究
Project/Area Number |
15540381
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Research Institution | The University of Electro- Communications |
Principal Investigator |
渡辺 信一 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (60210902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 一雅 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (80221828)
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Keywords | BEC / アト秒レーザーと原子 / 低温希薄ガス移動度 |
Research Abstract |
渡辺は、BECを用いた原子干渉計の構築に向けた実験的研究を視野に入れて、BECの磁場による分割の際や回転系でのジャイロ効果に伴って現れる新しい物理的な効果を研究して成果を得てきた。これをされに進めて、誘導ラーマン散乱に伴うBECの分割を扱うための計算手法の開発を試みた。2光子から運動量を得て、相互作用しながら分割するBEC波束の時間発展を取り扱って、最近報告された実験結果の解明を試みた。また、非線形STIRAPの問題を研究協力者A.I.Itin氏と研究した。 大槻が行なった3年間の研究で、低温ヘリウムガス中での分子イオンの移動度低下の原因が明らかになった。一方、原子イオンについては重イオン(Kr,Xe,Cs)の移動度が測定され始めた。重イオンでは100K付近で移動度にV字の谷が現れるので、Xe^+とKr^+に現れるV字の谷をスピン軌道相互作用の効果によるものと予測して、数値計算を実施したが、^1SであるCs^+にも同様の構造が現れたため、原子イオンのhardnessに由来するのではないかと考えた。重イオンであるため、分極したヘリウム原子の影響(双極子、四重極子モーメントなど)を受けやすい。ヘリウム原子間との相互作用ポテンシャルを得るため、徹底したCI計算を行い、量子論に基づく移動度計算を行い、V字の谷の原因を究明した。 [研究協力者] 電気通信大学電気通信学部森下亨 森下は、ヘリウム原子の2電子励起状態を例にとって、アト秒パルスを用いたpump-probe法を想定し、どのような物理的情報が得られるかを数値計算によって解析してきた。最終年度にはカンザス州立大学において、これまで開発してきた計算手法をより多くの物理条件下におけるアト秒パルス励起に応用して、実験の指標を与えるため、種々の数値計算と近似的解析とを試み、多くの成果を得た。
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Research Products
(7 results)