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2003 Fiscal Year Annual Research Report

多孔性媒質としての断層帯内の流体圧変化と温度変化が断層破壊に与える影響

Research Project

Project/Area Number 15540401
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

山下 輝夫  東京大学, 地震研究所, 教授 (10114696)

Keywords流体 / 地震 / 断層 / 熱 / 多孔性媒質 / 断層帯
Research Abstract

動的な地震破壊における熱的・水力学的効果を、熱多孔質弾性体を仮定して理論的に考察した。支配方程式は過去の研究者が導いたものを用いたが、一部の重大な点を修正した。モデルパラメタが断層滑りの時間変化に与える効果を詳細に調べるために、まずは、1 次元モデルを仮定して考察を行った。クラック端の成長の効果や断層滑りの時空間変化を考慮に入れる際には 2 次元モデルを用いた。数値シミュレーションにより、温度、流体圧及び空隙率の間の非線形なフィードバックが、動的な地震破壊の多様性の出現において決定的な役割を演じることが示された。たとえば、高速と低速の動的地震破壊は固相の体積弾性率の違いによって現れることがわかった。また、媒質の体積弾性率や熱膨張率の空隙率依存性が、断層滑りの時間変化に重要な役割を果たすと言うことも示された。過去の研究者はそれらの量は空隙率に依存しないと仮定しており、そこで得られた結果については問題も多いと言える。我々のシミュレーションにおいては、断層すべりは自発的に停止するという現象(self-healing slip)が普遍的に観察されたが、これはそのような依存性から導き出される重要な結果であるということを強調する必要がある。さらに、地震波観測で発見されたHeaton pulseという現象や、ゆっくりとした破壊の開始もまた上記の非線形フィードバックによって出現することも示された。このように、熱的・水力学的効果を考えることにより、従来の弾性論の枠内では説明が困難であった地震破壊現象が統一的に説明可能であることが示された。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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