2005 Fiscal Year Annual Research Report
木星オーロラの起源の解明〜ユリシーズの木星再訪を捉える〜
Project/Area Number |
15540430
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐藤 毅彦 熊本大学, 教育学部, 助教授 (10297632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 昭 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50004479)
徳丸 宗利 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60273207)
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Keywords | 磁気圏・電離圏 / 超高層大気物理学 / 惑星オーロラ / 光学赤外線天文学 / 宇宙科学 |
Research Abstract |
研究最終年度は、これまでの赤外オーロラ・データ解析と太陽風シミュレーションとの比較を、主に行った。IRTF望遠鏡で得た画像データの解析は完了し、飯舘望遠鏡では赤外線カメラの最終調整を行った(本格的なデータ取得には至らなかった)。木星オーロラの全発光強度は、過去に示唆された(Baron et al.,1996)ように、太陽風動圧の増大に伴って強まるという結果を得ている。その一方で木星オーロラの主オーバルは、磁気圏プラズマの共回転からの「遅れ」がその電流起源であるとする説が広く受け入れられるようになっており、それに従えば太陽風動圧とオーロラ発光強度は「逆相関」を見せなければならない。我々の研究結果はそれとは合わないが、主オーバル以外の部分(より高緯度側に弱いが面積の広い発光がある)が、別のメカニズムで「正相関」を見せているのだとも考えられる。 シカゴ大学でH3+オーロラ発光メカニズムの詳細調査、フロリダ大学では同時期の木星電波観測データの調査を行った。それらにもとづいたデータ解釈を継続し、早急に論文化し発表する予定である。また、研究期間には完了しなかった飯舘望遠鏡の赤外線カメラがすぐにも稼動するはずなので、それを用いた観測・研究を継続してゆきたい。国内でも2m級の望遠鏡が動き出し、また石垣島という観測適地の望遠鏡も完成したいま、より密度の濃い木星オーロラ・モニター観測とそれにもとづく研究が可能になっている。
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