2003 Fiscal Year Annual Research Report
カルカッタ西方の原生代岩石とネパールの17億年岩石の関連性に関する年代学的研究
Project/Area Number |
15540441
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Research Institution | Kanto Gakuen University |
Principal Investigator |
瀧上 豊 関東学園大学, 法学部, 教授 (40206909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折橋 裕二 東京大学, 地震研究所, 助手 (70313046)
酒井 治孝 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (90183045)
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Keywords | 40Ar-39Ar年代 / Nd-Sm年代 / Rb-Sr年代 / 原生代 / 17億年 / ネパール / 国際研究者交流 / インド |
Research Abstract |
本研究目的である40Ar-39Ar、Rb-Sr、Nd-Sm年代測定用の岩石試料の採取を、平成15年12月13日-28日の日程で、カルカッタ(コルカタ)西方300kmの地域にて行った。試料採取はインド側研究者(Prof.Acharyya、Dr.Guputa)と5月から打ち合わせを行い、12月の採取も共同で行った。インド側研究者との討論や現地を見て判明したことは、以下の点である。1)年代学の情報が極めて少なく、信頼性も不確かである。その少ない情報で地史を組み立てている。インド側研究者も我々の年代学情報を待ち望んでいる。2)Dalma、Dhanjhori、Jagarnathpur、Ongarbiraの4地域からネパールの岩石と比較対応される玄武岩、チャート、タフなどを約240kg採取した。年代測定に適した新鮮な試料が限られていたのは残念だった。また、Ongabiraは文献には載っていない火山岩が得られる新しい地域であった。3)インド側は火山岩には全く注目していなかった。この地域をしめる花崗岩岩体(2.1,2.3Ga)とそれに関連する変成作用による岩石(鉄やウラン鉱床など)の地史に重点を置いていた。我々が目的としていた火成岩の年代(1.5-1.6Ga)を単なる変成作用の年代としか見ていなかった。しかし、試料を見る限り生成年代が期待できそうなので、ネパールの火成岩との関連性が議論できそうである。4)共同研究者の酒井によれば、風景や地形の状況がネパールの火成岩の産出場所と酷似しているという。同じ地質条件を満たしているようである。5)ネパールの17億年の岩石とインドの研究対象の地域の火成岩の起源は同じという仮定に反する証拠は現地調査の結果からは得られなかった。 これらの岩石の年代測定の準備をすすめており、平成16年夏には年代情報の一部が得られる予定である。
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