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2005 Fiscal Year Annual Research Report

南極周辺海域における磁気特性をもちいた第四紀気候変動の解明

Research Project

Project/Area Number 15540442
Research InstitutionDAITO BUNKA UNIVERSITY

Principal Investigator

中井 睦美  大東文化大学, 文学部, 助教授 (70317650)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 森尻 理恵  産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門, 主任研究員 (10358187)
上野 直子  東洋大学, 文学部, 教授 (10058109)
Keywords南極海域 / 古地磁気 / 岩石磁気 / 環境磁気 / 氷床変動 / 古気候 / 第四紀 / モレーン
Research Abstract

本年度は,高知大学の海洋コア総合研究センターならびに京都大学にて,岩石磁気測定や粒度分析をおこなった.それらのデータの解析結果,採取後20年近く経過しているコアであっても,採取時のデータと比較して,残留磁化の磁化方位は概ね保存されており,堆積物は大きくは変質しておらず,調査可能なコアであると判断された.また,堆積物中の磁性鉱物は,3種類の磁気特性テスト(等温残留磁化付加テスト,高温熱磁化分析,低温残留磁化分析)の結果,ほとんどがマグネタイトおよびマグヘマイトであった.このことは南極周辺海洋底が,比較的酸化環境であることを示唆する.これらの堆物の起源は粒度分析よりほぼ南極大陸と推定されるが,その一例として,昭和基地近辺の陸上モレーン堆積物の磁性鉱物の検討を行ったところ,マグヘマイト化(低温酸化)していないマグネタイトであることが判明し,他大陸より低温の南極大陸上ではマグヘマイトは形成されにくいことも予想された.以上の結果から,マグヘマイト化は南極周辺海域で進んだ可能性が高く,この海域は基本的に酸化環境であると結論される.
特に,ウイルクスランド沖,およびデュモンデュルビル海のコアについては,古地磁気層序学に,数種類の岩石磁気特性を併用し,コア相互の対比が可能であることが明らかになった.さらにデュモンデュルビル海の3本のコアについては,過去70万年間に明確な数回の磁気特性の変動が見られた.磁気特性の変動は,南極大陸を起源とする堆積物の変化,すなわち氷床が運搬する堆積物の変化を表すので,これらの変動は氷床変動を表していると推定した.
今後の課題としては,上記の数回の岩石磁気特性の変動が,南極周辺海域全般でどれだけ確認できるかという点と,古生物学的手法(たとえば珪藻を用いたアイスアルジーに関する環境変動解析)を併用した,氷床変動の確認という点が上げられる.

  • Research Products

    (3 results)

All 2006 2005

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 南極ウィルクスランド沖とデユモンデユルビル海の海底堆積物コア試料中の磁性鉱物について2006

    • Author(s)
      中井 睦美 ほか3名
    • Journal Title

      大東文化大学紀要 自然科学 44

      Pages: 1-16

  • [Journal Article] Paleointensity study of McMurdo volcanic rocks, Antarctica2006

    • Author(s)
      Naoko UENO ほか1名
    • Journal Title

      東洋大学紀要 自然科学篇 50

      Pages: 123-146

  • [Journal Article] 「南極地域石油天然ガス基礎地質調査」(FY1980-1999)によって得られた海底堆積物コアの古地磁気・岩石磁気測定2005

    • Author(s)
      森尻 理恵 ほか3名
    • Journal Title

      地質調査研究報告 56

      Pages: 341-373

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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