2004 Fiscal Year Annual Research Report
珪藻化石による北太平洋東西境界流海域の古海洋復元図の作成
Project/Area Number |
15540445
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
丸山 俊明 山形大学, 理学部, 教授 (70165950)
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Keywords | 珪藻 / 太平洋 / 古海洋 / 新代三紀 / 新生代 |
Research Abstract |
1.北太平洋の西境界流の延長上に位置し、東西境界流の地理的な中間点を占め、かつ東西の対比や比較検討のための結節点としての役目を担う海域として、シャツキーライズを検討候補に加えることとした。予察の結果、中期中新世から更新世までの連続した生層序データを入手できる見通しが立ったと同時に、予想以上に温暖な鮮新世の群集が観察された。 2.独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)および日本地球掘削科学コンソーシアム(J-DESC)の共催により統合国際深海掘削計画(IODP)の普及広報を主眼とした「第3回IODP大学&科学館キャンペーン」が文部科学省の後援のもとに平成16年10月16日(土)〜10月24日(日)まで山形大学および山形県産業科学館で開催された。地元準備組織の実行委員長として開催に協力すると共に、本研究成果の一端を「IODPと山形大海牛」と題して講演し、三陸沖の複合年代尺度の成立と山形県内陸産の大型哺乳類化石との関連について解説した。 3.ヤマガタダイカイギュウを胚胎する橋上砂岩部層は主に海流卓越型陸棚システムからなり、一部に波浪卓越型陸棚システムを含んでいる。一方、下位の水沢層と上位の葛沢シルト岩部層は重力流卓越型陸棚システムから構成されている。少なくとも葛沢シルト岩部層の上部がD.dimorpha帯(NPD5D)に、また上位の大谷火砕岩部層の上部がT.schraderi帯(NPD6B)に相当することが明らかになったが、D.katayamae帯(NPD6A)に相当する群集は検出できなかった。よって、葛沢シルト岩部層より下位に位置する橋上砂岩部層は若く見積もってもD.dimorpha帯(NPD5D)か、あるいはさらに下位のThalassiosira yabei帯(NPD5C)に相当する可能性が高くなった。したがって、ヤマガタダイカイギュウの年代は今まで見積もられていた8〜9Maから、それ以前の10Maまたは11Maに改訂する必要が生じたと判断される。
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