2004 Fiscal Year Annual Research Report
南西インド洋海嶺アトランティスバンクで観察される海洋地殻の岩石学・地球化学的研究
Project/Area Number |
15540454
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
前田 仁一郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50165643)
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Keywords | 南西インド洋海嶺 / アトランティスバンク / 海洋地殻 / ガブロ / 岩石学 / 造岩鉱物 / 集積岩 / インド洋 |
Research Abstract |
本年度は(1)Mg#[Mg/(Mg+Fe)]においてマントルと地殻を繋ぐものとして存在が予想されながら未発見であったmissing cumulate[前年度に存在を確認]の詳細な研究と(2)これまでの研究成果の公表を具体的な目標としたが,本計画立案時には予定していなかった大西洋中央海嶺でのIODP掘削航海(Exp.304,2004年11月から2005年1月)に参加することとなったため,特に(2)については年度内に遂行できなかった.次年度には実行する予定である. (1)についてはアトランティスバンクで採取したドレライト中のトロクトライトがmissing cumulateであることを確定するために,構成鉱物の主要元素組成(EPMAを使用)と微量元素組成(金沢大学のLA-ICP-MSを利用)を,全岩試料について主要・微量元素組成(XRF)とSr・Nd同位体比(TIMS)の分析と検討を行った.同時に他のドレライトから同様のmissing cumulateを探す試みも行ない,それと認定できるものも見出した.さらにアトランティスバンク周辺で採取したマントルかんらん岩・玄武岩とODP Hole 735Bで採取したトロクトライトも比較のために同様の検討を行った.その結果,(i)missing cumulateとみなされる結晶群はホストのドレライトとは非平衡であり,捕獲されたものであること,(ii)ホストのドレライトは十分に未分化ではないが,主要・微量元素とSr・Nd同位体比において中央海嶺玄武岩組成であり,off-ridge火成活動の産物であると考えなければいけない根拠が無いこと,(iii)よって,ドレライトが中央海嶺下で活動した際にそこにあったmissing cumulateを捕獲したものであり,(iv)トランスフォーム境界付近においても未分化なマグマの活動があったことが確かめられた.
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Research Products
(3 results)