2004 Fiscal Year Annual Research Report
北海道知床半島における新生代火山-熱水活動と浅熱水性金銀銅鉛亜鉛鉱化作用との関係
Project/Area Number |
15540455
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 寛之 北見工業大学, 工学部・土木開発工学科, 教授 (00003202)
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Keywords | 知床半島 / 新生代 / 海底火山活動 / 陸上火山活動 / 浅熱水性金銀銅鉛亜鉛鉱化作用 / 熱水活動 / 黒鉱型鉱床 / 鉱脈型鉱床 |
Research Abstract |
知床-弟子屈地域の新第三紀火山-熱水活動と浅熱水性金属(金銀や銅鉛亜鉛など)鉱化作用や熱水変質作用との関係は次のとおりである。 新第三紀熱水活動の時期はステージI, II, IIIおよびIVの四つに区分でき,ステージIが知床地域の根室黒鉱鉱床地域,ステージII, IIIおよびIVが弟子屈地域の阿寒-泰豊-当別金銀鉱脈鉱床地域において確認された。 ステージIは中期中新世の知床地域の忠類層堆積時である。その熱水活動は,海底火山活動と関連し,根室黒鉱型鉱化作用と熱水変質作用を伴う。 ステージIIは,中期中新世のイクルシベ層堆積時から後期中新世のオテシカウシナイ層堆積前までの時期である。その熱水活動は,安山岩質およびデイサイト質貫入・噴出活動と関連し,主に中性熱水変質作用を伴う。 ステージIIIは,後期中新世のシケレペ層堆積後から後期鮮新世のイクルシベ山溶岩や志計礼辺山溶岩噴出前の前期鮮新世〜後期鮮新世(3.2-3.8Ma)である。その熱水活動は,主に安山岩質貫入活動と関連し,主に中性熱水変質作用と阿寒鉱床(3.2-3.8Ma),泰豊鉱床(元山および滝ノ沢脈)などの浅熱水性金銀鉱化作用を伴う。 ステージIVはシケレペンペツ層堆積時の後期鮮新世(2.2-2.4Ma)である。その熱水活動は,主に安山岩質およびデイサイト質貫入・噴出活動と関連し,比較的広域的な安山岩質火山活動に関係して中性熱水変質作用(2.2Ma)と当別鉱床(2.4Ma),泰豊鉱床(金華,錦秀および瑞芳脈)などの浅熱水性金銀鉱化作用を伴い,また,比較的局所的なデイサイト質火山活動に関係して志計礼辺山酸性変質作用(2.3Ma)を伴う。
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