2004 Fiscal Year Annual Research Report
導波路型光近接場を用いた誘電体表面のプラズマ励起種のダイナミックス測定
Project/Area Number |
15540469
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
櫻井 彪 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (00092841)
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Keywords | バリアー放電プラズマ / 光導波路 / 吸収分光 / LiNbO_3 / 準安定励起原子 / 誘電体表面 |
Research Abstract |
昨年度において結晶板の表面に光導波路を形成し、この結晶板を誘電体としてバリアー放電装置を作成し、レーザー近接場分光法を適用した結果、非常にS/N比は悪いが、測定が可能であることが判明した。今年度は昨年度の光導波路型レーザー近接場分光技術を改良し、実用として使用可能な技術に展開するために、下記のように研究を進めた。 1 最適な光導波路の作成が肝心であり、種々の燐酸溶液温度やアニーリング条件で作成し、導波路モードの精密な測定を行った。また、光導波路伝搬特性の理論的解析を行い、光導波路の深さが1.8μmであることが明確になり、実験には取り扱いやすいTMOモードを用いることにした。 2 昨年度の実験においてはS/Nが1以下と非常に悪かったが、その原因はレーザー本体と処理システムに問題があることが判明した。そこで時間的安定度の高い半導体レーザーを使用するとともに、実験系に光チョッパーを設置し、信号処理には位相検知増幅器を利用した。また有効放電長も19mmと約3倍に大型化した。その結果、S/Nは昨年の値に比べて大きく改善され、約30が得られ、精度良く定量値が見積もれるようになった。 3 この結巣、光導波路型レーザー光近接場分光法により、誘電体極近傍Ar準安定励起原子密度を直接測定することが可能になった。50TorrまでのArガス圧力に対する依存性を明確にし、バルクプラズマ内の準安定励起原子の圧力依存性とは大きく違うことを見出した。ただし、放電による伝搬光強度減少効果が新たに見つかり、今後の解明が必要と思われる。
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Research Products
(5 results)