2003 Fiscal Year Annual Research Report
無重力ガスアークの特性と高性能炭層ナノチューブ合成への応用に関する研究
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15540471
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
三重野 哲 静岡大学, 理学部, 教授 (50173993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 廣伸 静岡大学, 工学部, 助手 (70293610)
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Keywords | ガスアーク放電 / 炭素ナノチューブ / 無重力 / 合成制御 / 超音波 / 原子分子素過程 / 熱対流 / 炭素クラスター |
Research Abstract |
1)ジェット機用小型ガスアーク実験装置を開発した。ジェット機の20秒間(繰り返し10-20回)の無重力状態での実験と地上での通常重力状態の実験を行ない、両者の差を比較した。 2)熱電対アレイを装置内に設置し、ガス温度分布の時間変化を測定した。すると、無重力条件で高温部分は球対称になり、0.1cm/s程度の非常にゆっくりした早さで膨張した。20秒の無重力時間では温度は定常化しなかった。1分程度の定常無重力時間ではじめて、温度分布は定常化し、球対称で、温度勾配の小さい温度分布ができると予想される。一方、通常重力条件では1秒以内の時定数で、安定した熱対流を形成し、上方のみが高温の定常温度分布を形成した。この場合、熱エネルギーは定常的に上方に運ばれる。 3)SMAC法を用いた流体計算を行った。無重力、通常重力条件で、実験を支持する結果が得られた。無重力条件では熱エネルギーが蓄積される傾向に有る。 4)発光強度(熱スペクトル)の重力依存性を測定すると、やはり、無重力状態で中心部が高温になることが分かった。 5)微粒子コレクターでナノチューブ成長の場所分布を測定した。無重力では、より外側で合成が進むことが分かった。 6)ミー散乱法で炭素微粒子の発生場所や微粒子の流れを観測した。すると、アーク中心から1cmの所ですでに微粒子が発生している。無重力条件では、この微粒子が等方的にゆっくり拡散している。一方、通常重力条件では、上方に1m/s程度の速さで素早く微粒子が流れていく様子が観測された。そして、流束は上方のかなり狭い範囲に局在した。 7)長いナノチューブの合成法の探索やナノチューブとアモルファス状炭素、金属触媒微粒子を分離精製する方法を探索している。薬品法と電気炉法が有効と考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Mieno: "Characteristics of the gravity-free gas-arc discharge and its application to fullerene production"Plasma Phys.Control.Fusion. 46. 211-219 (2004)
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[Publications] T.Mieno: "Gas Temperature Evolution of the Gravity-free Gas Arc discharge under a Parabolic Flight of Jet Plane"Jpn.J.Appl.Phys.. 42. L960-L963 (2003)
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[Publications] N.Matsumoto, T.Mieno: "Characteristics of heat flux of JxB gas-arc discharge for the production of fullerene"VACUUM. 69. 557-562 (2003)
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[Publications] Md.K.H.Bhuiyan, T.Mieno: "Effect of oxygen on electric conductivities of C_<60> and higher fullerene thin film"thin solid film. 441. 187-191 (2003)
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[Publications] T.Mieno, T.Mizutani, M.Kanai, H.Shinohara: "Production of SWNTs under Gravity-free Condition by Use of a Jet Plane"Proc.Int.Workshop Plasma Nano-Technology. 1. P-8-1-P-8-2 (2004)
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[Publications] T.Mieno, T.Mizutani, D.Kato: "Thermal Properties of a Gravity-free Gas Arc for the Production of Carbon Clusters"Proc.21st Sympo.Plasma Processing. 1. 252-253 (2004)