2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15540477
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
加藤 裕史 富山県立大学, 工学部, 助教授 (40224547)
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Keywords | ECR / 多価イオン / 固体ソース / Fe / TiO_2 / 光触媒 / イオン注入 / 可視反応化 |
Research Abstract |
前年度に確立された2.45GHz ECR多価イオン源における実験条件をもとに金属ソースより多価イオンを生成した.イオン源にマイクロ波をモード理論に基づき導入し,共鳴磁場領域(ECRゾーン)に強い電界領域が一致するようにして多価イオンの効率的な生成を行った.モードを選択的に励振できるように引き出し電極側及びそれと対向するミラーエンドにそれぞれマイクロ波を遮蔽する金属プレートを設置した.引き出し電極と対向する金属プレートは可動してプラズマの状態の変化に応じてマイクロ波をチューニングできるようにし,前年度に製作した金属ソースをミラーの軸状に沿って挿入した.引き出されるイオンビームはその質量/電荷の種類によって引き出しの効率が異なり,最適化が必要なためにプラズマ対向電極と引き出し電極との間の距離を真空状態で可動出来る引き出し電極を設置した.前年度の指針に沿いこれらの効果を考慮した真空容器によって多価イオン電流の増収を図った.引き出されたイオンビームは収束,偏向電極等で制御した.また,非対称レンズである四重極レンズで最適化した.ビーム行路上のワイヤープローブでドーズ量を評価し,イオン照射系の真空容器の改良をした.レーストラック状磁場配位の大面積ECR反応性スパッタリングリング装置において種々の成膜条件で結晶性の異なる酸化チタン薄膜をシリコンや石英等の基板表面に約100〜300nm堆積させたサンプルを用意し,光触媒性や各種物性評価した.多価イオン注入前後における紫外線並びに可視光照射後の接触角や薄膜X線回折測定による結晶性等の物性評価し,注入イオン種,注入エネルギー,および注入ドーズ量を変化させて光触媒性の可視反応化におけるこれらの依存性を調べ,最適条件を探った.本研究における知見をもとに大面積酸化チタン薄膜成膜時に可視反応化を図るための方策を得ると共に本研究の総括を行った.
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