2003 Fiscal Year Annual Research Report
試料回転軸切り替え方式NMR法による14Nスピンの高分解能NMRスペクトル測定
Project/Area Number |
15550007
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
桑原 大介 電気通信大学, 機器分析センター, 助教授 (50270468)
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Keywords | 14Nスピン / オーバートーンNMR |
Research Abstract |
1次元DAS NMR法に従って実験を行うと,固体粉末試料中のスピン系の相互作用テンソルは,その静磁場に対する配向が高速で周期的に変化する。今年度は,^<14>Nスピンに与えられたオーバートーン磁化が周期的な磁場方向変化の中で時間発展していく様子を計算できるシミュレーションプログラムを作成した. 作成したシミュレーションプログラムを用いて,^<14>Nオーバートーン磁化から生まれるNMR信号(自由誘導減衰信号:FID)の時間発展を計算してみた.一般にNMR測定においてはFIDは一定の時間間隔でサンプリングされるのであるが,当研究ではそれにこだわることなく様々なサンプリングタイミング(non-linear sampling)を想定して計算機シミュレーションを行った.そして,得られたFID信号のフーリエ変換から1次元DAS NMR法で達成される分解能(共鳴線幅)を求めた.現在までのところ,1次元DAS NMR法の分解能は2次元DAS NMR法の一般的な分解能まで至っておらず,さらなる検討が必要であることがわかった.さらに当研究の目的を実現するには,計算機シミュレーションとともに,^<14>Nオーバートーン磁化の時間発展経路を表す解析的近似式が必要ということがわかった. 本年度の終盤から、DASNMRプローブの試料回転軸移動システムの構築を始めた.来年度の後半までには試料回転軸をコンピュータ制御できるシステムの構築を終える予定である.
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