2003 Fiscal Year Annual Research Report
大気中エアロゾル表面構造と物質移動に関する理論的研究
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15550012
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
森田 明弘 岡崎国立共同研究機構, 計算科学研究センター, 助教授 (70252418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 正和 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90323534)
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Keywords | エアロゾル / 取り込み係数 / 適応係数 / 分子動力学 / 流体解析 / HO2ラジカル / 拡散 / 気液界面 |
Research Abstract |
平成15年度は、エアロゾル界面での物質移動に関する理論的解析およびその大気モデルへの影響について研究した。 エアロゾル界面での物質移動速度は、大気モデルにエアロゾルの影響を取り入れる際に基本的なパラメーターであるが、従来実験値のばらつきは甚だしく、理論計算との不一致も大きい。物質移動速度には、マクロな濃度変化から得られる現象論的な移動速度γと界面分子衝突から決まるミクロな移動速度αがあり、γの測定値からαを導出する解析には不確定さが大きく残されていた。実験で従来報告されているαは、分子シミュレーションから計算される値よりもしばしば小さい。そこで本研究では、その食い違いを解決するため、実験の解析に伴う以下の二つの問題点を検討した。 A)実際の実験条件では、微量の界面不純物が移動効率に大きく影響している可能性がある。それを分子動力学シミュレーションを系統的に用いて検証した。 B)不均質取り込み実験を解析してγからαを求める際、気相拡散抵抗などを正確に求めることが必要であるが、その解析に問題がある可能性がある。そこで数値流体計算を用いて連続液滴実験のフローチューブを定量的に解析した。 以上より、特に後者(B)は重要であり、気相拡散抵拡の見積もりを是正することで、従来の理論計算との不一致を相当に解決することができることを示した。 さらにHO2ラジカルのエアロゾルへの取り込み係数が従来考えられていたよりも大きい可能性を指摘し、それが典型的な対流圏境界層の大気モデルに及ぼす影響を見積もった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Morita, M.Sugiyama, S.Koda: "Gas-Phase Flow and Diffusion Analysis of the Droplet Train/Flow Reactor Technique for the Mass Accommodation Processes"J.Phys.Chem.A. 107・11. 1749-1759 (2003)
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[Publications] A.Morita: "Molecular Dynamics Study of Mass Accommodation of Methanol at Liquid-Vapor Interface of Methanol/Water Binary Solutions of Various Concentrations"Chem.Phys.Lett.. 375・1-2. 1-8 (2003)
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[Publications] H.Sato, A.Morita, K.Ono, H.Nakano, N.Wakabayashi, A.Yamagishi: "Templating Effects on Mineralization of Layered Inorganic Compounds : (1) Density Functional Calculations of Formation of Single Layered Magnesium Hydroxide as a Brucite Model"Langmuir. 19・17. 7120-7126 (2003)
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[Publications] A.Morita, Y.Kanaya, J.S.Francisco: "Uptake of the HO2 Radical by Water : Molecular Dynamics Calculations and Their Implications to Atmospheric Modeling"J.Geophys.Res.. (印刷中). (2004)