2004 Fiscal Year Annual Research Report
光誘起電子移動をトリガーとする化学増幅型反応系の構築と反応制御
Project/Area Number |
15550032
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
高橋 康丈 三重大学, 工学部, 助教授 (70197185)
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Keywords | エンドペルオキシド / ジオキセタン / 光反応 / 増感剤 / 電子移動 |
Research Abstract |
一電子酸化あるいは還元によって環状過酸化物やdioxetaneは連鎖的に反応し、一重項酸素や化学発光を与える。本研究では、それらの素材分子を化学的に連結させてオリゴマーを合成し、光誘起電子移動で駆動する増幅反応系の構築を試みた。また、それらの光反応と制御について、増感剤を用いる方法も検討した。 クロスカップリングやエステル化、あるいはアミド化のための連結官能基を導入したポリメチルナフタレンやジアリールジオキサンの合成を行った。つぎに、連結基としてトリヨードベンゼン、エチニルベンゼン、フタル酸、およびそれらの誘導体を用いる、直鎖型、側鎖型、デンドリマー型などの前駆体の合成を行った。増感酸素化による多元化ペルオキシドの合成も行った。 多環芳香族、たとえばDCAやDCNなどの増感剤を用い、上記の多元ペルオキシドの光誘起電子移動反応を行った。その結果、脱酸素化が起こることがわかった。生成物分析や捕捉実験の結果、一重項酸素が発生していることもわかった。発生する一重項酸素をその発光強度をもとに定量し、生成物の収率からの増幅反応の度合いとの関連を検討した。その結果、増幅反応を起こるものの、一重項酸素の(見かけの)生成効率は20~50%と低いものだった。これは、生成物アルケンによる消光反応が起こっているためであることがわかった。
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Research Products
(3 results)