2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550040
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
塚田 秀行 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助教授 (40171970)
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Keywords | ニトロニルニトロキシド / 分子磁性 / スピン / 三重項 / 一重項 / p-キノン |
Research Abstract |
本研究は、段階的酸化還元に対応して磁性を変換する=スイッチング機能を持つ有機分子を創製することを目的とする。段階的な一電子還元が可能な分子系にスピン部分をつなげる事で、段階的還元過程に対応したスピン整列を行わせ、基底スピン多重度を変換する磁気機能分子を新たに考案した。本研究により、電子注入に対応してスピン状態を変換する単分子磁気機能デバイスができるならば、分子ナノテクノロジーに有機磁性分子を登場させることになり意義がある。 今年度は、二つのラジカル前駆体の合成を行った。2,5-ビス(1,3-ジヒドロキシ-4,4,5,5-テトラメチルイミダゾリン-2-イル)-1,4-ジメトキシベンゼンおよび2,2'-ビス(1,3-ジヒドロキシ-4,4,5,5-テトラメチルイミダゾリン-2-イル)-1,4,1',4'-テトラメトキシジフェニルは,各々のジアルデヒドをビスヒドロキシルアミン誘導体と縮合することで得た。9,10-エタノ-9,10-ジヒドロアントラセン骨格を持つもう一つの目的化合物は,ジアルデヒドまで合成を行った段階であり,今後縮合反応を進める予定である。 ほぼ同じ合成経路で,ヒドロキノン骨格に1,3-ジヒドロキシ-4,4,5,5-テトラメチルイミダゾリン-2-イル)基を持つ誘導体も得た。この化合物から様々な酸化剤により目的のキノン骨格に変換する条件を検討した。 最終目的分子の量子化学計算も行った。1重項,および3重項各々について,密度汎関数法を用いて,構造の最適化とエネルギーを求めた。計算は,本研究費で購入したワークステーション上でガウシアン03を用いて行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Tukada, K.Mochizuki: "Crystal structure of 1,3-diphenyladamantane and trans-1,4-diphenylcyclohexane : torsion angles about C-Ph bonds in α,ω-diphenyl(alicyclo H.C.)"J.Mol.Structure. 655. 473-478 (2003)
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[Publications] P.R.Bangal, N.Tamai, Y.Yokoyama, H.Tukada: "Photosublimation of novel p-system photoproduct of ethyl-4-formyl-1,3-dimethylpyrazole-5-carboxylate"J.Phys.Chem-B. 107(49). 13554-13556 (2003)
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[Publications] P.R.Bangal, N.Tamai, Y.Yokoyama, H.Tukada: "Transient spectroscopic study of a non-Kekule molecule generated by photochemical χ-hydrogen abstraction of ethyl 4-formyl-1,3-DMP-carboxylate"J.Phys.Chem.-A. 108(4). 578-585 (2004)
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[Publications] Y.Yokoyama et al.: "Thermally reversible photochromism of pyrazole derivatives"Chem.Lett.. 33(2). 106-107 (2004)