2003 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ素及びゲルマニウム置換ボレートの合成と触媒反応への展開
Project/Area Number |
15550041
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
持田 邦夫 学習院大学, 理学部, 教授 (20118772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南条 真佐人 学習院大学, 理学部, 助手 (50302352)
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Keywords | シリルボレート / ゲルミルボレート / 構造 / 求核剤 / 光反応 / 触媒反応 |
Research Abstract |
フェニル置換シリル及びゲルミルリチウム、アルキル置換ゲルミルリチウムとトリフェニルホウ素をそれぞれ反応させ、対応するシリル及びゲルミル置換ボレートを合成した。化合物の同定は各種NMRスペクトルおよびX-線結晶解析装置で行った。合成したボレートはプロトン性溶媒中では比較的安定で取り扱うことができた。ボレートと有機ハロゲン化物、カルボニル化合物、酸ハロゲン化物、エステル、不飽和化合物などとの反応を行った。求核試薬としての性質は出発物質のフェニル置換シリル及びゲルミルリチウム、アルキル置換ゲルミルリチウムより低いことがわかった。酸ハロゲン化物との反応でシリル及びゲルミルケトンを穏やかな条件で収率よく与えることは非常に興味深い。また、ボレートがジシラン及びジゲルマンと等電子構造を有することに着目して光反応と触媒反応を行った。ボレートの光反応は捕捉剤も含む定常光照射実験と時間分割ESRを用いて行い、光照射によりシルル及びゲルミルラジカルとホウ素ラジカルが生成すること、又この化学種に基づく反応生成物を与えることがわかった。フェニル置換シリル及びゲルミルボレートはアセチレン類とは反応しない。しかし、パラジウムや白金錯体触媒を加えると、穏やかな条件でボレートのケイ素(あるいはゲルマニウム)とホウ素の間にアセチレンが挿入した生成物を与える。触媒、アセチレン類など種々の反応条件を検討した。触媒存在下、フェニル置換シリル及びゲルミルリチウムとアセチレン類との反応機構は現在検討中である。
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