2004 Fiscal Year Annual Research Report
機能性色素配位子を有する金属錯体に固有な複合的新規外場応答性の発現
Project/Area Number |
15550048
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
中島 清彦 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (50198082)
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Keywords | 外場応答性 / 白金錯体 / ヒドラゾン / プロトン脱着 / 分子構造 / 発光 |
Research Abstract |
可逆的なプロトンの脱着が期待されるヒドラゾン化合物を配位子とした金属錯体を合成単離して構造を明らかにし,プロトン濃度の変化に呼応した可逆的な金属錯体の外場応答性を検討する目的で研究を行った。 2-ヒドラジノピリジンと,2-(メチルチオ)ベンズアルデヒド,2-(4-クロロフェニルチオ)ベンズアルデヒド,2-ジフェニルホスフィノベンズアルデヒドから一連のヒドラゾン化合物を得た後,それらを配位子とする白金(II)錯体を合成した。単結晶として得られた錯体について分子構造と結晶構造を決定した。これらの錯体溶液にトリエチルアミンおよびトリフルオロメタンスルホン酸を添加すると,ヒドラゾン配位子のN原子上のプロトンが脱着し,可逆的な吸収スペクトルの変化が観測された。プロトンの解離により錯体の色は深色化した。ヒドラゾン配位子は紫外部に吸収極大を示し,発光スペクトルは観測されなかったが,その白金(II)錯体は可視部に強い発光性を示し,プロトン脱着にともなう可逆的な発光波長の大きなシフトが観測された。 一方,2-ヒドラジノピリジンと2-(tert-ブチルチオ)ベンズアルデヒドから誘導したヒドラゾン配位子を用いて白金(II)錯体を合成すると,tert-ブチル基が解離してチオールの配位イオウ原子を有する錯体が得られた。この錯体も可視部に強い発光性を示した。 本研究では,ヒドラゾン配位子上のプロトンの脱着および配位イオウ原子上の置換基の種類の変化や解離に応答した,白金(II)錯体の発光波長の変化について新たな知見を得ることができた。
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Research Products
(4 results)