2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15550059
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 教之 独立行政法人理化学研究所, 化学分析チーム, 先任研究員 (90241231)
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Keywords | 環状アルキン / 5員環 / ジルコニウム / ジルコナシクロペンチン / 複核錯体 |
Research Abstract |
小員環の環状アルキン類は、三重結合周りの歪みのため不安定であり、現在までに単離された炭化水素の環状アルキンは、含ケイ素6員環が最も小さい例だった。私は最近、金属-炭素の結合が比較的長いことに着目し、4族遷移金属を含む5員環アルキンである、1-メタラ-3-シクロペンチンが安定に合成・単離されることを見出し報告した。この錯体は三重結合の隣に嵩高い置換基を有していたが、一般に環状アルキンにおいては、三重結合に隣接した炭素上に置換基を有すると、その極めて高い反応性を抑える役割を果たすと言われる。 しかし今年度の研究の結果、以下のことが明らかとなった。 1.三重結合に隣接した炭素に置換基を持たない含金属5員環アルキンの簡便な合成方法を見いだし、この化合物が安定に単離できることを明らかにした。この合成手法はシクロペンタジエニル環上に様々な置換基を有するジルコノセン錯体についても応用でき、その一部については分子構造を決定することに成功した。その構造は本質的に置換基のある分子と変わらないが、立体障害が解消された分、むしろ安定な構造を有することがわかった。 2.上記無置換ジルコナシクロペンチン錯体と、遷移金属錯体との反応性を検討したところ、低原子価のジルコノセン錯体と速やかに反応して複核の錯体を生成することを見いだした。この錯体はいわゆるジルコノセン-アルキン錯体の構造を有しており、上記ジルコナシクロペンチンがアルキンとしての反応性を有することを示した。さきにRosenthalらが報草したメタラシクロクムレン錯体は我々のジルコナシクロペンチンと類似の構造を有している。そこにおいても同種核の二核錯体は反応途上の中間体として提示されていたが単離された例がなかった。今回初めて単離に成功したことはこれら錯体群の構造と反応性の関連を考察する上で重要な情報を与えるであろう。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Noriyuki Suzuki, Naoto Aihara, Hidemichi Takahara, Takaaki Watanabe, Masakazu Iwasaki, Masahiko Saburi, Daisuke Hashizume, Teiji Chihara: "Synthesis and structure of 1-zirconacyclopent-3-yne complexes without substituents adjacent to the triple bond"Journal of the American Chemical Society. 126. 60-61 (2004)