2004 Fiscal Year Annual Research Report
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15550059
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 教之 独立行政法人理化学研究所, 化学分析チーム, 先任研究員 (90241231)
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Keywords | ジルコノセン / 環状アルキン / シクロペンチン / シクロヘプチン / パラジウム触媒 / ブタトリエン / 複核錯体 / チタノセン |
Research Abstract |
我々は近年、遷移金属であるジルコニウムを環中に含む5員環アルキン錯体の合成と単離、分子構造の決定に成功した。しかし同族元素のチタン、ハフニウムを含む類縁化合物については知られていなかった。本年度の研究の成果として、チタンを含む5員環アルキン錯体、チタナシクロペンチンの合成に成功した。ほぼ同時期にドイツのグループが同一の化合物を報告したが、分子構造の決定に成功したのは我々のみである。同じくハフニウムを含む錯体も合成できたが、その構造の決定は今後の検討課題である。また、ジルコナシクロペンチン錯体の反応性について検討し、低原子価のジルコノセンとの反応により二核のブタトリエン錯体を与えることを見出し、その構造を明らかにした。ブタトリエンと二つの金属原子が同一平面上にあり、それぞれの金属にブタトリエンがη^3-形式で配位していた。さらに、ブタトリエン類と、ジルコノセン-エチレン錯体、アルキン錯体との反応により、7員環アルキン錯体が生成することを見出した。遷移金属を含む7員環アルキン化合物は極めて珍しい例であるが、その合成と単離、分子構造の決定に成功した。この錯体は歪んだ7員環構造をとっており、環中の三重結合が金属との相互作用のため金属側に折れ曲がっている。即ち、α-位にアレニリデン基を有する5員環錯体の寄与も含む構造であることが明らかとなった。また、ブタトリエンを基質としてパラジウム触媒を用いることにより高度に共役したエンイン化合物を得られることを見出した。
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Research Products
(4 results)