2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550060
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
南 尚嗣 北見工業大学, 機器分析センター, 助教授 (40241426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄子 仁 北見工業大学, 未利用エネルギー研究センター, 教授 (50201562)
高橋 信夫 北見工業大学, 機能材料工学科, 教授 (20108187)
八久保 晶弘 北見工業大学, 未利用エネルギー研究センター, 助教授 (50312450)
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Keywords | メタンハイドレート / 海底堆積物 / サハリン / 堆積物間隙水 |
Research Abstract |
メタンハイドレートとは、水分子が作る篭状の格子中にメタン分子が取り込まれたメタン水和物(包接体)の一種である。メタンハイドレートは天然に広く分布し、現在最も注目を集めている次世代エネルギー資源であるとともに、温室効果ガスの巨大貯蔵庫でもある。近年、日本近海のハイドレート存在推定域が明らかにされ、南海トラフ等の海域では海底堆積物中からメタンハイドレート実試料が採取されている。しかし海底メタンハイドレート研究は世界的にも研究の歴史は浅く、例えば海底堆積物中メタンハイドレート量の見積もりには物理的方法(音波、電気伝導率、温度測定など)が用いられているが正確さの点で問題も指摘されており、メタンハイドレート定量方法の確立は採掘・利用のためにも重要な課題である。 本研究では、研究分担者及び海外共同研究者と共に、ロシア国サハリン沖で天然メタンハイドレート含有海底堆積物の採取に成功し、試料の北見工業大学への輸送にも成功した。その後、得られた天然メタンハイドレート含有海底堆積物を用いて、(1)堆積物間隙水の採取、及び(2)間隙水中溶存各種成分の化学分析をおこなった。その結果、メタンハイドレートを含まない海底堆積物間隙水中の硫酸イオン濃度が海底面下深度2mでも海水中濃度と同レベルなのに対し、メタンハイドレート含有堆積物間隙水中硫酸イオン濃度は海底面下深度0.5-1mで急激に減少することを見出した。硫酸イオン濃度は湧昇水中メタンとの化学反応によって減少し、海底面下の硫酸イオン濃度/深度プロファイルは、湧昇メタンフラックス及びメタンハイドレート生成の活発さに関する情報を与えると考えられるので、海底堆積物間隙水中硫酸イオン濃度が堆積物中メタンハイドレート定量のための指標化学種となりうることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)