2004 Fiscal Year Annual Research Report
固相誘導体化を用いる極性有機化合物の効率的前処理法の開発
Project/Area Number |
15550070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 稔 大阪大学, 環境安全研究管理センター, 教授 (60029238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角井 伸次 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30252604)
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Keywords | 極性有機化合物 / 固相誘導体化 / GC-MS / ペンタフルオロピリジン / フェノール類 |
Research Abstract |
主にアルキルフェノール類を用い引き続き2種類の固相での誘導体化の検討を行なった。 (1)強アニオン交換固相抽出 最適条件下、ポリマー母体の強アニオン固相(Waters社製、OASIS MAX)を用い、河川水からの添加回収テストを行った。4-メトキシフェノール以外の回収率は、81%以上と良好であった。4-メトキシフェノールでは40%前後の回収率であったが、これは非常に親水性が高いため固相に吸着できなかったためと考えられる。再現性も相対標準偏差2.5-18%と良好であった。猪名川、寝屋川、淀川、神崎川の4つの河川水を分析したところ、ブチルフェノール(<30ng/l)、オクチルフェノール(<204ng/l)、ノニルフェノール(<1,030ng/l)が検出された。 本方法の特徴は、イオン性の相互作用を用いるところにあり、誘導体化前に中性物質を容易に除去できる。また、カルボン酸類は誘導体化後も固相に残存するため、非常に高い精製効果が得られるところにある。相関移動触媒を用いた2相系でも河川水を分析し、クロマトグラムを比較した。固相を用いる本方法では、バックグラウンドが低く、妨害ピークも大幅に低減されることがわかった。 (2)イオン対固相抽出 C18固相と臭化テトラヘキシルアンモニウム(THA)を用い、検量線の作製を行った。検量線は、20-1,000ng/l(ノニルフェノール:200-10,000ng/l)の範囲で良好な直線性を示し、20mlの水試料の分析においても、5.2-76ng/lの検出限界が得られた。また、河川水での分析においても良好な結果が得られた。より低濃度まで測定するために、水試料を100mlにして分析した。この場合、ブチル及びペンチルフェノールで回収率が低下したが、THA濃度を1mMから10mMに増加することにより対応可能であることがわかった。
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Research Products
(2 results)