2005 Fiscal Year Annual Research Report
ファーネスアトマイゼーションにおけるナノ化学反応機
Project/Area Number |
15550072
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
今井 昭二 徳島大学, 総合科学部, 教授 (50232591)
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Keywords | 原子吸光分析 / 表面構造 / 原子化機構 / 活性炭 / ナノ化学反応 / フラクタル |
Research Abstract |
ピコグラム量の超微量元素を黒鉛表面に分散後に原子蒸気を発生させる黒鉛炉原子吸光法は、表面の化学現象を反映する。昨年度までは加熱黒鉛炉内部においてアスコルビン酸および糖類の加熱分解によって精製した炭素材料に単原子分散した金原子の原子化機構の研究を基盤として、原子化の活性化エネルギーと表面フラクタル次元の関連性について研究を行ってきた。実際の試料の分析においては、分析対象物が固体試料であることからスラリー導入法を検討する必要があった。固体試料を破砕、粉砕または微細な繊維へと分散させることで実際の炭素材料試料を効率よく黒鉛炉内に導入することができた。金原子の吸着には、ビーカー内での吸着および黒鉛炉内での吸着の双方とも有効であることがわかったが、吸着時間が0.5分程度必要であることも重要である。活性炭、活性炭素繊維および炭などの種類に対応した吸着および脱離挙動が計測できるようになった。 計測装置のシステムかとデータ処理の高速化をPCネットワークによって確立して、自動分析も可能なシステムを構築するなど、実用に向けての基礎的な研究が実施された。 金原子以外の金属原子をプローブとして炭素材料中の細孔に吸着させて原子化過程を研究した。このとき、ある種の金属原子においてはサブミクロ孔以外の細孔の表面状態が反映することが示唆される実験結果を得ることができた。 その他、活性炭上に分散した銀の原子化機構、原子吸光分析の進歩、また、現在注目されているCdおよびPbなどの有害元素の高感度分析法などを確立する成果が得られた。
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