2004 Fiscal Year Annual Research Report
キラルルイス酸を用いるカルボニルイリドの不斉付加環化反応の開発
Project/Area Number |
15550087
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Research Institution | Faculty of Engineering, Shinshu University |
Principal Investigator |
菅 博幸 信州大学, 工学部, 助教授 (60211299)
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Keywords | ジアゾカルボニル化合物 / カルボニルイリド / 付加環化反応 / ルイス酸 / 不斉合成 / 希土類金属 / エナンチオ選択性 / ジアステレオ選択性 |
Research Abstract |
前年度までの検討において、o-メトキシカルボニル-α-ジアゾアセトフェノンより発生させたカルボニルイリドとベンジルオキシアセトアルデヒド,α-ケトエステル類および3-アクリロイル-2-オキサゾリジノンとの付加環化反応において、キラルな2,6-ビス(オキサゾリニル)ピリジン(Pybox)配位子と希土類金属トリフラートより調製したキラルルイス酸(10mol%)を触媒として反応を行うと、高いレベルの不斉誘起(up to 96% ee)が観測されることを報告した。そこで、今年度は、本反応のオレフィン性親双極子剤およびカルボニルイリド前駆体としてのジアゾ化合物の基質一般性に関する検討を行なった。3-クロトノイル-2-オキサゾリジノンを親双極子剤として用いる検討では、o-メトキシカルボニル-α-ジアゾアセトフェノンとの反応において、Tm(OTf)_3および(S,S)-Pybox-Phをモレキュラーシーブス4A存在下、THF中で撹拌することにより調製した錯体(10mol%)を触媒として用いると、高いendo-選択性と極めて高いエナンチオ選択性(98%ee)で付加環化体が得られることを見出した。ジアゾ基質に関する検討としては、1-(2-ジアゾアセチル)-2-ピロリジノンをカルボニルイリド前駆体として、3-アクリロイル-2-オキサゾリジノンとの反応をYb(OTf)_3と(4S,5S)-Pybox-4,5-Ph_2より調製した触媒を用いて行うと、主ジアステレオマーとして得られる付加環化体において67%eeのエナンチオ選択性が観測され、上記とは構造の大きく異なるカルボニルイリドにおいても不斉誘起が可能であることを明らかにした。また、不斉1,3-双極性付加環化に有効な新規キラルルイス酸として、キラルなビナフチルジイミン-Ni(II)触媒の開発についての検討を行った。
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Research Products
(3 results)