2004 Fiscal Year Annual Research Report
立体的高選択的酸化的付可反応を用いたイリジウム錯体の合成と触媒反応への応用
Project/Area Number |
15550090
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山縣 恒明 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (70166594)
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Keywords | 不斉 / 水素化 / イリジウム / 触媒 / カルボキシラト / イミン / 光学活性 / アミン |
Research Abstract |
OC-6-23-Aの絶対構造を有するイリジウム錯体、IrX(H)(O_2CR){(S)-binap}(X=Cl,Br,I)はイミン類の不斉水素化反応の有用な触媒前駆体であり、ハロゲン配位子が塩素、臭素、ヨウ素となるに従って転化率が向上することを明らかにしてきた。 H16年度は、以下の研究を行った。 1.トルエン中室温下で、[IrX(coe)_2]_2(X=Cl、Br、I)に、2当量のBINAP、続いて過剰のハロゲン化水素酸をone-potで反応させると相当するイオン性ハロゲン三架橋2核イリジウム(III)錯体[{Ir(H){(S)-binap}}_2(μ-Cl)_3]X (X=Cl,Br,I)が高収率で新規錯体として得られることを見出した。出発化合物として、[IrCl(coe)_2]_2を用いて、臭化水素酸あるいはヨウ化水素酸を反応させると塩素原子がすべて置き換わった[{Ir(H){(S)-binap}}_2(μ-X)_3]X (X=Br,I)が高収率で得られることも見出した。即ち[IrCl(coe)_2]_2から出発して、異なる[{Ir(H){(S)-binap}}_2(μ-Cl)_3]X (X=Cl、Br、I)を作り分ける方法を確立した。 2.基質に2-Phenyl-1-pyrrolineを、[{Ir(H){(S)-binap}}_2(μ-Cl)_3]X (X=Cl,Br,I)を用いて、不斉水素化を基質/Ir=4000,水素圧60気圧、20℃、3時間の条件で行った。Cl,Br,Iの順に従って、触媒活性は10,22,79%の順で活性が上がる。不斉選択性は89,90,90%eeを示しハロゲン配位子による大きな差が見られない。カルボキシラト錯体に比較して、高い触媒活性の結果が得られた。
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