2004 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化炭素直接挿入型、新規カルボニル化法の創出とチオカーボネート類合成への展開
Project/Area Number |
15550096
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
西山 豊 関西大学, 工学部, 助教授 (30180665)
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Keywords | セレン / 一酸化炭素 / 触媒 / カルボニル化 |
Research Abstract |
前年度、セレンを触媒量加え、ジブチルジスルフィドと一酸化炭素とを強有機塩基であるDBU共存下反応を行うと、形式上ジブチルジスルフィドの硫黄-硫黄結合間に一酸化炭素が導入されたジブチルジチオカ-ボネートが得られるとの知見を得た。そこで本年度は、その反応で得られるジブチルジチオカ-ボネートの収率の向上を目指し、さらなる検討を加えた。その結果、トリエチルアミンやN-メチルピロリジン等の第三級アミンを用いた反応ではジブチルジチオカ-ボネートが全く生成しないのに対し、DBUやDBN等の強有機塩基を用いると反応は速やかに進行し、ジブチルジチオカ-ボネートが中程度の収率で得られることが明らかとなった。これら塩基による反応性の差は、様々な実験の結果、ジブチルジスルフィドの硫黄-硫黄結合がDBUやDBN等の強有機塩基を用いると容易に解裂するのに対し、トリエチルアミンやN-メチルピロリジン等の第三級アミンでは全く解裂せず、その結果、トリエチルアミンやN-メチルピロリジン等の第三級アミンでは、ジブチルジチオカ-ボネートが全く生成しないとの結果となったと推測された。また、様々な検討よりこの反応が平衡反応であるとの知見も得た。この反応を様々なジアルキルジスルフィドと一酸化炭素の反応に基づくジアルキルジチオカ-ボネート合成に適用したところ、直鎖アルキル基を持つジアルキルジスルフィドでは収率良く反応が進行するのに対し、枝分かれしたアルキル基を持つジアルキルジスルフィドでは、立体的な込み合いが大きくなるに従い収率が低下するとの結果となった。
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Research Products
(3 results)