2003 Fiscal Year Annual Research Report
不斉重合による光学活性環状イミドポリマーの創製と光学分割
Project/Area Number |
15550108
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大石 勉 山口大学, 工学部, 教授 (30091169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼村 謙二郎 山口大学, 工学部, 助手 (90284265)
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Keywords | 光学活性ポリマー / 不斉重合 / N-置換マレイミド / キラルリガンド / 有機金属 / 光学分割 / 理論計算 / キラルポリマー |
Research Abstract |
環状イミドモノマーであるN-置換マレイミド(RMI)、N-置換イタコンイミド(RII)の不斉アニオン重合をキラルリガンド/有機金属錯体を開始剤に用いて行い、その不斉重合性、得られたポリマーの構造と旋光性の関係を明らかにした。RMIの精密不斉ラジカル重合を行い、リビングラジカル重合性、立体特異性ラジカル重合性を明らかにした。以下にその概要を示す。 1.RMIの不斉ラジカル重合及び原子移動ラジカル重合(ATRP):N-1-フェニルエチルマレイミド、N-1-ナフチルマレイミド、N-フェニルマレイミドのATRPを行なった。キラルなリガンドを用いると光学活性マレイミドポリマーが得られたが、旋光度は不斉アニオン重合から得られるポリマーより低かった。またリビング重合性は認められなかった。キラルコバルト錯体を用いると旋光度の比較的高いN-1-ナフチルマレイミドポリマーを得ることができた。 2.RIIの不斉重合:(1)アキラルRIIの重合:N置換体に嵩高い置換基を有する種々のRIIを合成し、不斉重合を行った。ジフェニル基を有するRIIにおいて最高の旋光度を有するポリマーを得ることができた。(2)キラルN-1-フェニルエチルイタコンイミドの不斉重合を詳細に検討し、ポリマーの構造について議論した。 3.キラルRMIの不斉重合:N-シクロヘキシルエチルマレイミド、N-1-ナフチルエチルマレイミドの不斉重合をキラルリガンド/有機金属を用いて行い、旋光度の非常に高いポリマーを得ることに成功した。円偏光二色性(CD)やNMRスペクトルから、主鎖に不斉が誘起されたことを示した。現在、アミノ酸誘導体をN置換体に有するRMIを合成しその不斉重合を精力的に行なっている。 4.光学分割:キラルRMIポリマーを用いてHPLC用キラル固定相を開発している。一部の医薬品中間の完全分割に成功している。またシリカゲルに化学結合した固定相も合成している。 5.RMIの不斉重合における理論的計算:不斉重合メカニズムについて計算機を用いて解明してる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tsutomu Oishi: "Asymmetric Polymerization of N-ortho or para-Substituted Phenylmaleimide Using Chiral Anionic Initiator"Polymer Journal. 35. 245-254 (2003)
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[Publications] Kenjiro Onimura: "Polycondensation of Chiral 3,4-Dihydro-N-Substituted Succinimide and Phthalic Acid Dichloride"Polymer Bulletin. 50. 147-152 (2003)
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[Publications] Kenji Hori: "Theoretical study on the polymerization mechanism of substituted maleimides by using a chiral catalyst with Zn2+"Tetrahedron. 59. 6301-6309 (2003)