2004 Fiscal Year Annual Research Report
長鎖アルキル尿素誘導体の準プラスチック相の結晶設計と特異物性
Project/Area Number |
15550119
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山村 公明 神戸大学, 理学部, 教授 (60031358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
枝 和男 神戸大学, 理学部, 助手 (00193996)
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Keywords | チオウレア誘導体 / 長鎖アルキル尿素誘導体 / 結晶構造 / 相転移 / 水素結合 / カテナン / 三次元超分子集合体 / 準プラスチック相 |
Research Abstract |
CH_3HNCONHR(2H-C_n-U),RHNCONHR(2H-dRU),H_2NCONHRNHCONH_2(C_n-URD),CH_3HNCSNHR(2H-C_n-TU),H_2NCONHR(3H-C_n-TU)等の尿素およびチオ尿素誘導体(R=アルキル基)の結晶構造解析,物性測定より以下の結果を得た. 1 2H-C_n-TU(n=1-5,7,8,11-13,15)分子は結晶中においてtrans-cis形をとるため,二量体型,直線型両水素結合を基にした特異な二次元水素結合ネットワークを形成する.これは2H-C_n-U(trans-trans形)結晶中に常に見られる1次元直線型水素結合ネットワークとは全く異なる.2H-C_n-TU(n=5,7,8,11-13,15)結晶中では,R基の「相互かみ合わせ」が生じ,Rの乱れによる相転移が起こり得ないことが分かった. 2 3H-C_n-TU(n=8,10,12)結晶は2次元超分子のラメラ面の積層により形成され,3H-C_n-U(昨年度報告)の場合と同様に多数の相転移を起こす.転移エントロピーの大きさから,3H-C_<12>-TUの高温相は準プラスチック相であることが分かった. 3 3H-C_4-U結晶の比電導度は半導体領域にあり,その温度依存性も半導体特性を示す.プロトン伝導機構と思われる.固体NMRにより相転移に関連した分子の動的特性を明らかにした(金沢大理との共同研究). 4 2H-dRUには大きなエントロピー変化を伴う相転移が見られ,高温相は準プラスチック相の可能性が高い.固体NMRによりブチル誘導体の動的性質を明らかにした(岐阜大教育との共同研究). 5 C_<4,5>-URD結晶の基本構成単位は水素結合による2次元ひだ折れ型超分子であり,この超分子のカテナン型インターロッキングが見つかった.これは3H-C_n-Uを基にした結晶工学的予測とよく一致した.
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Research Products
(2 results)