2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550121
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山田 康治 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10166704)
|
Keywords | リチウムイオン伝導体 / 岩塩型構造 / 7Li NMR / 115In NMR / 導電率 / 粉末X線回折 / 秩序無秩序転移 |
Research Abstract |
Li_3InBr_6は314Kという低い温度で岩塩型構造の超イオン伝導相に転移し、新しく設計した雰囲気制御可能なプローブで測定した転移直後の導電率は2^*10^<-3>Scm^<-1>とリチウム塩の結晶としては例を見ないほど高いことを確認した。Li_3InBr_6は完全固体化した2次電池の固体電解質として大いに有望であるが、電池を構成した場合には電気的安定性に関して今後さらに検討する必要性がある。岩塩型構造のリチウムイオン伝導体および関連化合物の探索から明らかになった点を以下に列挙する。 1.Na_3IhCl_6の導電率は500Kにおいても10^<-5>Scm^<-1>とLi_3InBr_6に比べ3桁以上低い値であった。この原因は結晶中に孤立した八面体アニオンInBr_6^<3->が存在しNa^+、In^<3+>の占有するサイトに乱れがなく、また無秩序状態の高温相への転移がないためである。しかしながら、X線回折とNMRの実験からこの結晶におけるNa^+の伝導経路を明確に示すことができた。 2.転移直後のLi_3InBr_6はLi_3InCl_6と同型であり、Li^+だけでなくIn^<3+>カチオンもそれらの占有するサイトに乱れがある。これらのカチオンの無秩序状態は新しく作製したDSCによる転移エントロピーからも矛盾なく説明できた。 3.^7Li NMRの測定によると転移直後の高温相では、一部のリチウムイオンのみが伝導に寄与してことが明らかとなった。さらに^7Li NMR T_1の温度変化はこのリチウムの拡散の相関時間(τ_<NMR>)は非常に短く、1/ω>>τ_<NMR>であること示唆した。(ω=2π^*105.41MHz) 4.Li_3InBr_6の粉末X線回折パターンは温度上昇に伴い岩塩型構造に特有なシンプルなパターンに変化し、カチオンが無秩序化した高温では空孔をもつ岩塩型構造Li_<1/2>In_<1/6>Brであることを示唆している。
|
Research Products
(6 results)