2005 Fiscal Year Annual Research Report
脂質非二重膜構造中における自発的分子認識機構の解明
Project/Area Number |
15550122
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松木 均 徳島大学, 工学部, 助教授 (40229448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金品 昌志 徳島大学, 工学部, 教授 (80035617)
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Keywords | 脂質二重膜 / 相転移 / 相図 / 非二重膜構造 / 指組み構造ゲル相 / コレステロール / 巨大ベシクル / 高圧力 |
Research Abstract |
本年度は、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)が形成する非二重膜構造である指組み構造ゲル相へのコレステロール、長鎖および中鎖脂肪酸および短鎖アルコールの効果、疎水鎖長の異なるPC脂質とコレステロール混合系の相図構築、ジラウロイルホスファチジルコリン(DLPC)二重膜の相挙動解明、巨大単層ベシクルの形態変化に関する研究を行った。得られた結果を以下に列挙する。 1 DPPCはプロパノール添加により指組み構造ゲル相を形成したが、オクタン酸添加では形成されなかった。高圧下において自発的に形成される指組み構造ゲル相は微量のコレステロール添加によって抑制され、パルミチン酸添加によっても同様な結果が得られた。 2 疎水鎖長が異なる5種類のホスファチジルコリンとコレステロール混合系の温度-コレステロール組成相図を構築した。リン脂質の鎖長や結合型に関わらず、秩序液体相はコレステロール組成約15%で出現し、コレステロール高組成領域ではゲル-液晶転移の消失と共に均一な秩序液体相が形成された。 3 常圧下においてDLPC二重膜の相転移は昇温開始温度に依存してその数に変化が見られた。高圧下においても測定圧力に依存して相転移の数が変化した。相転移データから構築した温度-圧力相図をもとに中間液晶相が出現するDLPC二重膜の複雑な相挙動を明らかにした。 4 静置水和法によりジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)の巨大ベシクルを作製し、金属イオン添加によるその巨大ベシクルの形態変化を顕微鏡観察した。2価の金属イオンを脂質:金属イオンのモル比が3:2以上に添加した場合に螺旋状や数珠状の会合体が形成された。 上記に加え、本年度は研究の最終年度であるため、3年間における研究の総括を行った。
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Research Products
(6 results)