2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子の部分構造認識による多目的化学センサに関する研究
Project/Area Number |
15550124
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 健司 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (50202263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩倉 宗弘 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (80325547)
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Keywords | センサ / 分子認識 / 部分構造 / 味 / 匂い / 電気化学インピーダンス |
Research Abstract |
化学センサ用デバイス開発は,現代社会において化学物質を検出することができるセンサ技術の迅速な開発が急がれているため,いっそうその重要性を増している.化学物質は現在の人類社会に重大な影響を及ぼし,その代表的な例が環境ホルモンや環境汚染である.社会が常に直面するこのような問題に対して,適切なセンサを短時間で提供できる技術の開発は,化学センサと計測技術に要求される重要な課題である.以上の背景に立ち,申請課題では次の研究を行った. まず,界面分極制御表面の電気化学インピーダンス測定により吸着分子の検出と情報抽出を行った.その際,電極表面のラフネスと分子の表面吸脱着を反映するCPE(constant phase angle element)特性を測定することで界面における化学物質の吸着状態を反映した情報を検出した.電極電位の動的な制御により化学物質と界面との相互作用が変化するが,さらに化学物質の部分構造と表面との相互作用について研究を行った.すなわち,電位依存のインピーダンスプロファイルと物質の部分構造との関連を調べることで電極表面の部分構造認識能とセンサ信号が持つ部分構造情報について検証を行った. その結果,表面に吸着した分子の部分構造に依存したインピーダンスプロファイルが得られ,さらに濃度に依存したプロファイルの変化とシフトが検出された.また,吸着・残留した分子の検出と識別も可能であった.この結果は特定の電気化学反応を伴わない条件下でCPE特性を反映した電気化学インピーダンスを測定することで,表面と相互作用する化学物質の検出と大まかな識別が可能であることを示唆している.また,この検出方法により高感度で汎用の化学センサが開発可能であることを示している.
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[Publications] K.Hayama, K.Hayashi, K.Toko: "Development of the electrochemical quantitative and qualitative analysis for adsorbates on Pt electrodes"Proceeding of ISEE2003. 416-419 (2003)
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[Publications] R.Izumi, M.Iwakura, K.Hayashi, K.Toko: "Detection of odorants trapped on a water membrane using surface-polarity controlled sensor"Proceeding of ISEE2003. 530-533 (2003)