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2003 Fiscal Year Annual Research Report

分子結晶のずれ応力効果とその新合成法の開拓

Research Project

Project/Area Number 15550134
Research InstitutionTokyo University of Science, Yamaguchi

Principal Investigator

井口 眞  山口東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (80291821)

Keywordsずれ応力 / shear stress / 分子結晶 / 電荷移動錯体 / TMPD-TCNQ / ラマンスペクトル / 高圧 / DAC
Research Abstract

ずれ応力による電荷移動錯体TMPD-TCNQの合成
研究課題の目的は、分子結晶の物性研究と物質合成にずれ応力効果を導入することである。本研究では、ずれ応力による電荷移動錯体の合成を試み、その効果をラマンスペクトルから考察した。実験には、高圧実験に用いられるダイヤモンドアンビルセル(DAC)を改造したずれ応力用回転式高圧セルを用いた。上下のサファイアアンビル(キュレツト径1.5mm)にNNN'N'-テトラメチル-1,4-フェニレンジアミン(TMPD、無色)とTCNQ(橙色)の薄膜をそれぞれ作成し、上下アンビルを強く押しつけることで加圧した後、回転によってずれ応力を作用させた。一連の操作による色の変化を観察した後、ラマンスペクトルを測定した。
TMPDとTCNQの薄膜に圧力と回転を作用させることによって、外周部が環状に濃青色に変化した。濃青色への変化は、回転を加えない加圧のみの状態でも外周部に細く環状に現れるが、3.6度の回転によって幅が広く、色が濃く明瞭になった。この濃青色はアンビルをセルから取り出した後も残っており、ずれ応力によって化学変化が起こり、電荷移動錯体が生成したことを示している。これに対して、中心部では中性TCNQの橙色からの色の変化は見られなかった。TCNQのC=Cのラマンバンドは、中性では1452cm^<-1>、TMPD-TCNQ錯体では1386cm^<-1>に観測される。中心部(橙色)は、中性TCNQとほぼ同一のスペクトルに1386cm^<-1>の弱い錯体のバンドが観測され、環状部(濃青色)は電荷移動錯体とほぼ同一のスペクトルに1452cm^<-1>の中性TCNQのバンドがわずかに見られた。ラマンスペクトルの測定から最外周部での電荷移動錯体の生成が確認され、ずれ応力は中心から離れるほど強く作用し、電荷移動錯体の合成に対してもずれ応力効果が有効であることが明らかとなった。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] I.Shirotani, H.Hayashi, K.Hirano, H.Kawamura, M.Inokuchi, K.Yakushi.H.Inokuchi: "Shear stress effects on electronic spectra on the one-dimensional bis(diphenyl glyoximato)metal(II) complexes, M(dpg)_2 [M= Ni and Pt] under high pressure"Proceedings of the Japan Academy. SeriesB,79. 267-273 (2003)

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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