2003 Fiscal Year Annual Research Report
廃プラスチックの化学原料化ケミカルリサイクルのための高性能分解触媒の開発
Project/Area Number |
15550136
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
上道 芳夫 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (90168659)
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Keywords | 廃プラスチック / ポリオレフィン / リサイクル / 低級オレフィン / ホウ素触媒 |
Research Abstract |
廃プラスチックの主成分であるポリオレフィンを炭素数2〜5の低級オレフィンへ選択的に分解するケミカルリサイクルプロセスを確立するための触媒の開発について検討し、以下のことを明らかにした。 Si/B比が39〜473の8種類のホウ素シリケートを合成した。それらの触媒による低密度ポリエチレンの分解では、C2〜C5オレフィンが65〜80%の収率で得られ、最大成分のプロピレンの収率は約30%であった。アンモニアの昇温脱離法と2-プロパノールの転化反応に対する活性で評価したホウ素触媒の酸性はSi/B比と明確な相関を示さなかったが、酸性はポリエチレンの分解における触媒機能を支配する重要な因子であることがわかった。また、不純物として微量含まれるアルミニウムの活性への寄与は小さいと考えられた。しかし、ホウ素シリケートの酸性発現機構は明らかではなく、その解明と制御は今後の課題である。 ホウ素シリケートによるポリオレフィンの分解は装置依存性が極めて大きいことがわかった。固定床流通式では低級オレフィンが高収率で得られたが、最も広く利用されている回分式反応装置では低級オレフィンの収率が大きく低下した。この結果は、触媒と接触する前の過度の熱分解は避けたほうが好ましく、ホウ素シリケートの触媒特性を高度に利用したポリオレフィンのケミカルリサイクルプロセスを確立するためには、熱分解過程の制御が重要なことを示唆していると考えられる。 メソポーラスシリカは、分岐構造を有するポリプロピレンの分解において顕著な反応促進効果を示し、有効な触媒素材になり得ることがわかった。
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Research Products
(1 results)