2003 Fiscal Year Annual Research Report
環境水中の微量ホウ素の簡便・高感度計測法の確立と新規蛍光試薬の開発
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15550138
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大島 光子 岡山大学, 理学部, 助教授 (80108117)
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Keywords | ホウ素 / 新規蛍光試薬開発 / フローインジェクション分析法 |
Research Abstract |
1 ホウ素の高感度計測法の開発 今年度は,まず極微量ホウ素の高感度定量法開発を目的として,クロモトロープ酸を用いるホウ素の蛍光検出/フローインジェクション法(FIA)について検討を行った。クロモトロープ酸とホウ酸との反応生成物の蛍光を利用するホウ素の定量法では,反応を行わせるため反応試薬であるクロモトロープ酸を大過剰に添加する必要がある。この過剰に残存するクロモトロープ酸の蛍光により感度向上が困難である。そこでバックグラウンド強度を低下させるために,アルカリを加えて分解することにし,アルカリとしてアンモニアを用いたところ,非常に安定なベースラインを得ることができた。さらに緩衝液にEDTAを添加して,金属のマスキングを兼ねたpH調整を行なうことにより,共存する金属イオンの妨害を除くことに成功した。ホウ素錯体の蛍光検出(励起波長λ_<ex>=313nm,蛍光波長λ_<em>=360nm)により,前処理なしでホウ素10^<-9>Mの定量が可能となった.S/N=3での検出限界は5x10^<-10>M(5ppt)で,現在最も高感度な定量法となった。ホウ素6x10^<-9>Mの10回繰り返し実験の相対標準偏差は3.6%(n=10)であり,1時間に40試料の分析が可能であった。この開発したFIAにより,イオン交換水,蒸留水中に存在するホウ素は直接定量できた。超純水中に存在する微量のホウ素(10^<-10>Mレベル)は,加熱濃縮操作法を併用することにより,定量可能となった。 2 新規蛍光試薬の合成 2,7-naphthalenedisulfonic acidを基本骨格として,1,8-位に蛍光性を持つ様々な置換基を導入した水溶性反応試薬の合成を行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Oshima, P.Sritharathikhun, Y.Wei, S.Motomizu: "Batchwise collection-flow injection method for the determination of carbon dioxide in ambient air"J.Flow Injection Anal.. 20・1. 37-42 (2003)
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[Publications] A.Sabarudin, M.Oshima, N.Ishii, S.Motomizu: "Novel flow injection-fluorometric method for the determination of trace Silicate and its applications to ultrapurified water analysis"Talanta. 60. 1277-1285 (2003)
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[Publications] Z.Li, M.Oshima, S.Motomizu: "Trace analysis of hydrogen peroxide solution for boron determination by flow-injection technique after the catalytic decomposition of hydrogen peroxide"J.Flow Injection Anal.. 20・2. 197-202 (2003)