2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550140
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Research Institution | Rikkyo(St.Paul's)University |
Principal Investigator |
堀内 昭 立教大学, 理学部, 教授 (60062650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 中英 立教大学, 理学部, 講師 (00142547)
中村 薫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (10101239)
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Keywords | Tetrachlorobisphenol A / Spirulina subsalsa NIES-39 / Cyanidios chyzonmerolae 10D / 分解中間体 / α-ヒドロキシ誘導体 / α-ジケトン / 環境浄化 / 環境にやさしいもの作り |
Research Abstract |
平成17年度は、16年度のラン藻(シアノバクテリア)(Synechococcus elongates PCC7942)を用いて100ppmのBisphenol A(BPA)の塩素置換体Tetrachlorobisphenol A(TCBPA)やPhenolの塩素置換体Chlorophenol(CP)の分解に引き続き、アフリカの塩水湖に生息し、pH10のアルカリ性の溶液で増殖出来る食用のスピルリナ(Spirulina subsalsa NIES-39)での検討を行った。これまで用いた培養細胞や藍藻等に較べると、カビ等の侵入の心配が無いため、実用的な材料であると思われる。そこでBisphenol A(BPA)の塩素置換体Tetrachlorobisphenol A(TCBPA)の分解過程の検討をTCBPAの濃度75,50,および25ppmでおこなった。主として物質の分解は、HPLCを用いて追跡し、分解した塩化物イオン濃度の定量にはイオンクロマトグラフィを用いた。2週間後、TCBPAの濃度は、10ppm以下に減少し、分解した塩化物イオン濃度は、2週間後に20-30ppmの増加が認められた。TCBPAの分解過程を推測するために、分解中間体をGC-MSで追跡したところ、4-Isopropenyl-2,6-dichlorophenolの生成が確認された。この結果から、BPAのムレスズメ培養細胞やカビによる分解で得られた4-Isopropenylphenolの生成過程と類似しているものと思われる。 ついで40ppm濃度のTCBPAの分解を世界最古の植物で藍藻と同種の紅藻でイタリアの高温酸性温泉に生息するシゾン(Cyanidioschyzon merolae 10D)を用いて検討を行なった。5日後には、シゾンは死滅したが、TCBPAは一部分解されることが判明した。今後、分解条件の検討を行いたい。 さらに1つの材料で「環境浄化」と「環境にやさしいもの作り」を目指し、スピルリナ(Spirulina subsalsa NIES-39)を用いてα-ブロモーおよびα-クロロシクロアルカノンを変換したところ、α-ヒドロキシ誘導体が得られることが判明した。またα,α'-ジブロモシクロアルカノンの場合、α-ジケトンに変換出来ることも見出した。
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Research Products
(7 results)