2003 Fiscal Year Annual Research Report
自律応答機能を有する高分子ゲルによる液中のダイオキシン類の吸脱着機構の解明と応用
Project/Area Number |
15550141
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山本 秀樹 関西大学, 工学部, 助教授 (30174808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 憲弘 関西大学, 工学部, 助手 (90340653)
芝田 隼次 関西大学, 工学部, 教授 (70067742)
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Keywords | 高分子ゲル / 感温性ゲル / 吸着除去 / 有害有機物 / 温度スイング / ポリビニルアルコール |
Research Abstract |
本年度は、ポリビニルアルコール(PVA)を主成分とし、ホルムアルデヒドで一部架橋された親水性高分子ゲル(以下PVA高分子ゲル)の感温特性を利用して、水中の塩素系および臭素系有害有機物の吸着除去特性について検討した。PVA高分子ゲルが周囲の温度変化に応答し体積が可逆的に膨潤・収縮する感温型高分子ゲルであることを明らかにし、310K以上の温度範囲において水中の1,2ジクロロエタンを吸着除去できることを報告した。 本研究では、水中に微量に含まれる有害有機物としてクロロホルム、ブロモホルム、トリクロロエチレン、フェノール、p-クロロフェノール、2,4-ジクロロフェノール、2,4,6-トリクロロフェノール、トリクロロエチレン、o-クロロフェノール、m-クロロフェノールおよび安息香酸の有機物11種類を選んで、PVA高分子ゲルに対する吸着除去試験を初期濃度200ppm、温度範囲283K〜323Kで行った。有機物の吸着量は種類によって異なったが、すべて310K付近を境として低温側では吸着量は小さく、高温側では大きくなることを明らかにした。温度スイングによる吸着量の変化は、PVA高分子ゲルが温度の上昇に伴い脱水して体積が収縮することにより表面が疎水化し、水中の有機物と疎水性相互作用で吸着したと考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 山本秀樹, 部屋本範宏, 高見優子, 芝田隼次: "感温性高分子ゲルの温度スイングによる液中の塩素系および臭素系有害有機物の吸着除去"化学工学論文集. 29巻3号. 395-399 (2003)