2004 Fiscal Year Annual Research Report
フラボノイド類の抗酸化活性機序の分子レベルでの解明とアポトーシス誘導阻害への影響
Project/Area Number |
15550145
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
松郷 誠一 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30148126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新森 英之 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (40311740)
廣瀬 裕子 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (10020447)
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Keywords | フラボノイド / アントシアニン / 活性酸素 / 代謝速度 / 体内動態 / フラボノイド |
Research Abstract |
フラボノイド類は基本骨格によりフラボノール、アントシアニンなどに分類され、異なる生物活性を発現する。アントシアニン類は、その構造が不安定であることなどから取扱いが困難であったこともあり、研究の展開が遅れていた。こうした難点を克服するために、まずアントシアニンを効率良く分析するシステムの開発を行うと同時にアントシアニン類の抗酸化能力を検討することを行った。 1.アントシアニンの定量分析法の開発 個々のアントシアニンを単離せず、同時にそれらの反応性を評価するには精確な分離分析法の開発が必須である。キャピラリー電気泳動によるブルーベリーアントシアニンの分離を用いて、個々のアントシアニンの加水分解反応を追跡した。トリフルオロ酢酸(TFA)低濃度においては、生成してくるアグリコンは速やかに開環分解するが、TFA局高度条件ではアグリコンの重合反応が優先的に起こった。アントシアニンの酸加水分解速度は、結合糖の種類により、速度が異なり、アラビノシド>ガラクトシド>グルコシドの順であることがわかった。 2.アントシアニンの抗酸化活性-活性酸素種と活性窒素種への反応性の違いと構造活性相関- アントシアニンの活性酸素種に対する反応性は母核と活性酸素種により大きく異なるが、反応性の違いはアグリコンの構造に大きく起因し、結合している糖の種類にはよらないことが判明した。アントシアニンのラジカルに対する反応性をAAPHラジカルとスーパーオキシドアニオンラジカルで検討したところ、delphinidin配糖体が高い反応性を不した。一重項酸素においても同様な実験結果が示され、delphinidin配糖体が最も高い反応性を持ち、これに、malvidin配糖体が次ぐこと判明した。 3.フラボノイド類の抗酸化活性評価 ごぼう葉に含まれているフラボノイオ類の抽出解析を行い、抽出プロセスと抗酸化活性の関連を検討したところ、抽出プロセスを繰り返し行ったサンプルが抗酸化活性が高かった。
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