2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550156
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
吉澤 篤 弘前大学, 理工学部, 教授 (30322928)
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Keywords | 液晶 / 液晶ディスプレイ / キラリティー / ネマチック相 / スメクチック相 / ブルー相 / 電気光学効果 / パターン形成 |
Research Abstract |
1.分子二軸性を持つ新規キラル化合物の相転移挙動 近年フォトニック材料としてブルー相が注目されているが,温度範囲が狭いことが課題である。我々はビナフチル基をもつ液晶化合物が比較的広い温度範囲でブルー相を発現することを報告している(Rokunohe and Yoshizawa, J, Mater, Chem.,2005,15,275)。その展開として分子二軸性をもつ新規キラル化合物(T-1)を設計・合成した。T-1はモノトロピックではあるが冷却時28〜15℃の範囲でブルー相IIIを発現した。ブルー相はカー効果による高速応答表示媒体として期待されており,二軸性とキラリティーの結合がブルー相安定化のための指針となることが明らかになった。 2.含フッ素U型化合物による誘電異方性(Δε)の増幅 新規含フッ素U型化合物を合成し,Δεの異なる2種類のホスト液晶に添加して,物性に及ぼす影響を調べた。U型化合物をHostA(フェニル安息香酸エステル誘導体,Δε=0.9)およびHostB(シアノビフェニル誘導体,Δε=10.8)のいずれに添加した場合もΔεを大きくした。Δεの加成性が成り立つとするとHostBでは添加によりΔεが小さくなると予想されたが,逆に11.4と大きくなった。これはU型化合物の添加がホスト分子の挙動に影響したものと考えられる。さらに、2つの含フッ素メソゲン基を柔らかいスペーサーでつないだ二量体化合物の添加効果を調べたところ、HostAでは棒状,HostBではU型と、ゲスト分子のコンフォメーションが変化していることが示唆された。 3.極性二量体液晶の混合によるパターン形成 シアノビフェニル基とフェニルピリミジン基をもつ非対称二量体液晶の2成分混合系でSmCanti相が誘起した。そのSmCanti相のホメオトロピック配向領域においてパターンが形成され,それが温度変化によって進行することを見つけた。
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Research Products
(7 results)