2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550162
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
功刀 義人 広島大学, 総合科学部, 助手 (90243518)
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Keywords | 有機半導体 / 有機FET / 移動度 |
Research Abstract |
本年度は、(1)含硫黄拡張π共役系有機半導体と(2)σ-π共役系スピロ化合物の開発とその有機トランジスタ(有機FET)への応用について重点的に研究を行った。次にその詳細について述べる。 1.含硫黄拡張π共役系有機半導体の合成と有機FETへの応用 拡張π共役系有機半導体は分子間の相互作用が強いことが予想され、有力な高性能有機トランジスタ材料の候補である。本年度はナフトジチオフェン骨格に着目し、末端にフェニル基、ナフチル基などをもった新規化合物を10種類以上開発し、有機FETへの応用を試みた。何れも良好なp型トランジスタ特性を示した。中でもナフタレン骨格により修飾した化合物(DNap-NDT)は移動度が0.11cm^2/Vs、on/off電流比10^5と蒸着膜を用いた有機トランジスタとしては最高レベルの値を得ることに成功した(J.Am.Chem.Soc.に掲載予定(2005年))。本結果は拡張π共役系分子としてNDT系化合物が有機トランジスタ材料として優れていることを示しており、今後の分子設計の礎となる結果である。 2.σ-π共役系スピロ化合物の合成と有機FETへの応用 σ-π共役系有機半導体は新しいタイプの有機半導体として注目を浴びている。本年度は直鎖およびスピロ型のσ-π共役系有機半導体に注目し開発を行った。これらの化合物は何れも良好なp型FET特性を示した。また、湿式での素子の作製が可能であり、印刷型素子材料の有力な候補となりうることが判明した。このような斬新な化合物を用いて有機トランジスタを作製した例は無く、有機トランジスタ材料開発の分野で新たな可能性を示せた物と考えている。
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Research Products
(4 results)