2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550164
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉本 信子 山口大学, 工学部, 助手 (30253173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 昌行 山口大学, 工学部, 教授 (70136167)
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Keywords | 多価金属 / マグネシウム / イオン性液体 / ポリマー電解質 / 全固体二次電池 |
Research Abstract |
固体中をマグネシウムイオン(Mg^<2+>)やアルミニウムイオン(Al^<3+>)のような,多価金属イオンが移動する新しい全固体二次電池を開発することを目的とし,本年度は以下の検討を行った。 1.多価カチオンを含むイオン性液体/ポリマー電解質の調製 マグネシウムをカチオン種とする2成分系イオン性液体を調製し,そのイオン伝導度や熱的性質などの基礎物性を調査した。1-エチル-3-メチルイミダゾリウム-ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EMITFSI)に所定量のMg塩(マグネシウム-ビストリフルオロメタンスルホニル)イミド,Mg(TFSI)_2)を溶解することにより2成分系イオン性液体を調製した。2成分系イオン性液体のイオン伝導度はMg(TFSI)_2濃度の増加とともに低下したが,Mg(TFSI)_2を20mol%含む系では,1.4mS cm^<-1>と比較的高い値を示した。 このイオン性液体と網状骨格構造と極性官能基を側鎖および架橋鎖に持つポリマーマトリックスとのポリマー複合体電解質を合成し,その熱的性質やイオン伝導度特性を調査した。イオン伝導度はイオン性液体含有量の増加とともに高くなり,Mg(TFSI)_2を20mol%含むイオン性液体を50wt.%含む複合体では,20℃で0.11mS cm^<-1>の伝導度が得られた。 2.ポリマー電解質中での金属イオンの反応過程の解析 前項で作製したイオン性液体/ポリマー複合体中の移動イオン種を同定するため,ポリマー複合体に直流電圧を印加してその電流応答を調べた。その結果ポリマー複合体中をMg^<2+>が移動していることがわかった。 サイクリックボルタンメトリー測定の結果より,僅かではあるが,Mgの析出/溶解に対応する電流ピークが観測された。しかしながら,その過電圧は非常に高く,ポリマー複合体自身のイオン伝導度を上げる工夫ばかりでなく,ポリマー複合体と電極との界面の設計にも工夫が必要であることがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 吉本信子, 森田昌行: "マグネシウム二次電池の材料設計-Mg^<2+>伝導性電解質の開発状況-"電池技術. 15巻. 139-147 (2003)
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[Publications] N.Yoshimoto, M.Morita, et al.: "Rechargeable Magneshium Batteries with polymeric Gel Electrolytes Containing Magnesium Salts"Electrochimica Acta. 48・14-16. 2313-2322 (2003)
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[Publications] M.Morita, N.Yoshimoto, et al.: "Materials Chemistry in Lithium Batteries "Polymeric Ion Conductors of a Poly(ethylene oxide)-Modified Polymethacrylate Matrix with Lithium- and Magnesium Salts as Solid Electrolytes of Rechargeable Battery Systems"Research Signpost. 369-393(454) (2004)