2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15550165
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
坪井 泰住 京都産業大学, 先端科学技術研究所, 教授 (70065861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 正幸 京都産業大学, 理学部, 教授 (80207175)
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Keywords | 有機EL素子 / 有機半導体 / 白色発光 / 多層膜 / エレクトロルミネッセンス |
Research Abstract |
蛍光材料燐光材料を用いた白色有機EL素子の研究に取り組んだ。PtOEPを含む各種低分子の光学特性を実験的に調べ,実験データについて理論的解析を行い,発光機構を明らかにした。材料評価には,石英板またはガラス基盤に真空蒸着した薄膜を用いて吸収スペクトルや発光スペクトルや蛍光寿命などの光学的測定を行った。 試作した素子は3つのタイプである。1つは透明電極ITO陽極側に近い方に青色発光層,続いて赤色発光層を蒸着するAタイプである。もうひとつは,ITO陽極側に近い方に赤色発光層を付けその隣に青色発光層を蒸着するタイプで,Aタイプとは逆転した蒸着のBタイプである。さらに,赤色発光分子と青色発光分子をひとつのホストにドープする単一発光層を用いるCタイプ素子について研究した。 Aタイプ素子では,青色発光が赤色発光の約2倍の強度をもつエレクトロルミネッセンス(EL)が得られ,7V電圧で約2000cd/m^2の輝度を得た。印加電圧や注入電流による色変化は観測されなかったが,3V以下ではスペクトル変化が観測された。 Bタイプ素子では,青色発光層と赤色発光層の両者をいろいろな膜厚で調べた。赤色発光層の膜厚が大きいと赤色発光が顕著であり,小さくするにつれて青色発光が増加した。印加電圧による赤色と青色との間の色変化は観測されず,またAタイプで観測された赤色での微小な波長シフトも観測されなかった。極めて安定であり,量子効率もAタイプより高いことが見つけられた。 Cタイプ素子では,赤色材料と青色材料の濃度比が白色化に重要であった。赤色材料の1重項電子準位が青色のものより低いために,ホストからのエネルギーが赤色に移動が起こりやすいことが明らかになった。白色化には,赤色濃度の極端な減少化が必要であるとわかった。
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