2005 Fiscal Year Annual Research Report
両親媒性分子吸着によるコロイド粒子の凝集ダイナミックスに関する研究
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15550167
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
深田 和宏 香川大学, 農学部, 教授 (60212180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 政俊 首都大学東京, 都市教養学部, 助手 (60183927)
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Keywords | 分散安定性 / 凝集 / エマルション / 吸着 / 界面活性剤 / 食品タンパク質 / AFM / 表面力 |
Research Abstract |
(1)柔らかなコロイド系の分散安定性にっいてと,(2)ポリスチレン粒子の分散性を支配する表面高分子鎖の挙動に関する以下の結果を得た. (1)食品タンパク質及び糖型界面活性剤によるO/Wエマルション調製と分析遠心型分散安定性解析装置による分散性評価を行った.そして,牛血清アルブミン(BSA)及びβ-ラクトグロブリンは共に0.1wt%程度の濃度でエマルション形成するが,BSAの方が安定なエマルションをつくることを確認した.また,BSAの乳化作用は等電点近傍(pH=5)では著しく減少するが,塩添加により分散性が逆に向上する場合があることを見出した.これは,分散安定性は基本的には油滴表面に吸着したタンパク質由来の静電相互作用が支配するが,吸着タンパク質膜の力学的強度も影響を与えていることを示唆する.糖型界面活性剤については,オクチルグルコシド(OG),アロースオクタン酸モノエステル(All-C8),ショ糖ラウリン酸モノエステルの界面特性(臨界ミセル濃度,気水及び油水界面での表面吸着量等)を滴容法で決定するとともに,種々の濃度でコーン油エマルションを調製して分散性の評価を行った.All-C8はOGよりも油水界面への吸着量が多く,エマルション安定性もよいことが見出された. (2)臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム水溶液中でポリスチレン粒子の圧縮領域における表面間力をAFMコロイドプローブ法で測定した.得られた表面間力は距離に対し減衰長が約15nmの一次関係を示し,約15nmの軟らかい殻構造を持つことが推察された,また,種々の膜厚を持つポリスチレン薄膜をスピンコート法により作成し,その光学特性を分光エリプソメトリーにより空気中で測定した.膜厚30nm以下の薄膜は,バルクに比べ高い密度と波長依存性の異なる屈折率プロフィルを示し,数十nmの厚さ以下で薄膜効果が発現することが分かった.
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