2005 Fiscal Year Annual Research Report
第三級アミンを発生する光塩基発生剤の開発とそれを利用した硬化系の構築
Project/Area Number |
15550168
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
陶山 寛志 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (90305649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 正充 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (00081331)
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Keywords | 光塩基発生剤 / 第四級アンモニウム塩 / カルボキシラート / 光反応 / 第三級アミン / 増感 / UV硬化 / 架橋 |
Research Abstract |
光塩基発生剤の開発において、耐熱性と光反応性、有機溶剤に対する溶解性を併せ持つ第四級アンモニウム塩(QAS)として、カルボキシラートアニオンを有するものが優れていることが昨年の研究でわかったので,アニオンとしてtert-ブチル安息香酸アニオン、ジフェニル酢酸アニオン、ベンゾイルギ酸アニオンを有するものを合成し、比較検討した。これらはいずれも、有機溶媒や高分子マトリックス中に優れた溶解性を示した。熱分解温度は示差熱・熱重量同時測定装置で測定し、以上の3つのうちベンゾイルギ酸アニオンのQASが高い耐熱性を有することがわかった。今回合成したQASを含むポリグリシジルメタクリラート(PGMA)薄膜を高温に加熱すると架橋するが、その温度はベンゾイルギ酸アニオンを有するQASが最も高く、熱分析の傾向と一致した。今回合成した3種のQASをアセトニトリル中で254nm光を照射すると、触媒能に優れた1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)を生成することが、^1H NMRおよび色素の呈色反応からそれぞれ確かめられた。また、これら3つのQASをそれぞれ含むPGMAに254nm光照射し、加熱処理することにより、架橋反応が進行し、テトラヒドロフランに不溶になった。 これらのQASは366nm光には感光しないが、第一級アミンの光塩基発生剤の増感剤として効果のあったイソプロピルチオキサントン存在下では366nm光照射で反応し、PGMA膜も不溶化した。 また、ベンゾイルギ酸アニオンを有するQASが熱安定性に優れていることを利用し、アミジンを生成するQASの合成にも成功した。
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Research Products
(2 results)