2003 Fiscal Year Annual Research Report
浮遊帯溶融法による新規固体レーザ材料希土類添加バナジン酸ルテチウム単結晶の育成
Project/Area Number |
15550169
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
樋口 幹雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40198990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 智之 北海道大学, 理化学研究所・固体光学デバイス研究ユニット, ユニットリーダー (90261164)
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Keywords | 浮遊帯溶融法 / バナジン酸ルテチウム / 単結晶 / 固体レーザ材料 / 希土類添加 |
Research Abstract |
バナジン酸ルテチウム(LuVO_4)は、吸収および発光断面積がともに従来の材料よりも大きく、半導体レーザ励起Ndレーザの母結晶しての応用が期待されている。また、Nd以外でも、Tm、Ho、Ybなどのための母結晶として、Lu^<3+>のイオン半径がこれらのイオンの半径に近いことからLuVO_4は結晶育成が容易になることが予想される。本研究では、各種希土類イオンを添加したLuVO_4単結晶を浮遊帯溶融法により再現性よく育成する技術を確立し、それらのレーザ材料としての基本的な光学特性を明らかにすることを目的とした。 本年度はNdおよびYb添加結晶について浮遊帯溶融法による基本的な育成技術の検討をおこなった。NdおよびYbの添加量をLuに対して1-4%とし、10-40mm/hの引き下げ速度、30-40rpmの結晶回転数で[110]方位への育成をおこなった。ドーパント添加量にかかわらず、いずれの結晶(とくにNd添加結晶)も薄褐色の着色がみられた。育成速度を速くすることにより、着色量は軽減されたが、完全に排除することはできなかった。しかしながら、これらの結晶を1000℃で20時間、空気中で熱処理することによって、着色のない状態にすることができた。したがって、着色の原因は酸素欠損によるものと考えられる。偏光顕微鏡観察の結果、抱有物や小傾角粒界などの巨視的欠陥のまったくない良質な結晶であることがわかった。現段階では、添加量1-4%で、口径5mm、長さ50mmの良質なNd : LuVO_4およびYb : LuVO_4単結晶を再現性よく育成することに成功している。今後、各種光学特性の測定を通して、最適NdおよびYb添加量を検討するとともに、Tm、Hoなどを添加した結晶の育成をおこない、LuVO_4の固体レーザ材料としての可能性を包括的に検討していく予定である。
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