2004 Fiscal Year Annual Research Report
メルカプト基の酸化を伴う層状複水酸化物へのインターカレーション
Project/Area Number |
15550176
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中山 尋量 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (40189080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津波古 充朝 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (60068335)
江口 太郎 大阪大学, 総合学術博物館, 教授 (50107083)
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Keywords | ハイドロタルサイト / メルカプト基 |
Research Abstract |
三年計画の二年目の本年は、インターカレーション化合物を系統的に合成し、どのような過程で酸化反応が進行しているのかをFT-IR, NMRなどを用いて詳細に検討した。 様々な濃度、温度、pH条件でメルカプトカルボン酸水溶液とMg-Al系層状複水酸化物を反応させ、最適反応条件を検討した結果、いずれの化合物も60℃、24hではほぼ定量的に反応が進行することがわかった。 得られた複合体をXRD, solid-state NMR, Raman, FT-IRによりキャラクタリゼーションをした結果、いずれの化合物でもメルカプト基の酸化を伴うインターカレーション起こっていることが明らかとなった。また、層間では、酸化された化合物の両末端のカルボン酸が、上下の水酸化物層を架橋する形で配列していることが明らかとなった。このことは、対応するジチオ化合物(3,3'-ジチオジプロピオン酸、2,2'-ジチオジ安息香酸、シスチン)などのインターカレーションによっても確認できた。また、この過程を^<13>CNMRによりモニターしたところ、反応溶液中には、ジチオ化合物由来のNMRスペクトルは確認できず、モノマーのメルカプトカルボン酸由来のピークのみが観測された。このことは、メルカプト基の酸化は、層間の塩基性環境下で起こっていることを示している。メルカプト基の酸化反応は、水溶液中では起こらないことが知られており、狭い層間でこの触媒反応が初めて可能となったことがわかった。 来年度は、得られたメルカプトカルボン酸インターカレーション化合物の応用の可能性のひとつとして重金属イオンの吸着特性について検討を行う。
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Research Products
(2 results)