2005 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー加熱延伸法によるポリエステル繊維の繊維構造形成機構の解析
| Project/Area Number |
15550182
|
|---|
| Research Institution | Shinshu University |
|---|
Principal Investigator |
大越 豊 信州大学, 繊維学部, 助教授 (40185236)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈倉 正宣 信州大学, 繊維学部, 教授 (70021178)
後藤 康夫 信州大学, 繊維学部, 助手 (60262698)
|
|---|
| Keywords | レーザー延伸 / 繊維構造 / 繊維 / 温度 / 直径 / エックス線回折 / 時間分解能 / ポリエチレンテレフタレート |
|---|
| Research Abstract |
走行中のポリエステル繊維にレーザー光を照射して瞬間的かつ均一に目指す温度まで加熱することにより,非接触で0.1mm程度の範囲内に延伸点を精密に固定することができる.本研究では既存のレーザー加熱延伸装置と糸温度測定装置,糸直径測定装置,糸張力計,および高速度ビデオカメラを使用して,ポリエステル繊維の延伸過程(ネック延伸過程および流動延伸過程)における糸直径・糸温度プロフィールを時間分解能0.01ミリ秒オーダーで直接On-line測定することにより,変形挙動およびエネルギー収支を解析する.本年度は特に極細繊維の製造が期待されるPFA繊維、およびPPおよびPEの丸棒に関する流動延伸挙動を解析と,X線回折および温度プロフィールを使ったPETの繊維構造形成過程の解析に重点をおいて研究を行った.これらの結果、PFA繊維およびPP・PEの丸棒に関するHencky歪速度および見かけ歪速度のプロフィールを求めることができた。種々のグレード(分子量、分子構造)の試料について、これらのプロフィールを温度プロフィールと同時測定することによって、これらの高分子の大変形時における変形機構とその分子構造依存性について調べることができた。一方、PETのX線回折と温度のその場測定により、繊維構造形成過程を高精度に解析することに成功した。特にX線回折測定に関しては、Spring8の超高輝度エックス線源を利用することにより、時間分解能0.6ミリ秒以下での高分解能X線回折パターンの測定に成功した。この時間分解能は、これまで報告されている中で最も高精度である。特に延伸点から0.5ミリ秒ステップで繊維構造形成過程をモニターできたことは、注目に値する。
|
